賢王 ジャービルマリーン
学術都市アルムガインのお話はこれでおしまいです。
クライブが姿を消してから1週間がたった。
ボルムがクライブの動向を探っているようだが一向に進展がない。
イブリースの魔力はクライブからしていたようなのだが姿を消した為、発見できずにいる。
今回の件でクライブが関わった数々の非道な内容が大樹ヒバから検出され、学術都市アルムガインは大混乱に陥っている。
ボルムの計らいもあり賢王ジャービルマリーンとの謁見が約束され準備に1週間という時間がかかったようだ。
さて賢王はどんな人物なのか⋯⋯。
賢王の居る場所は学術都市の中心部の地下に住んでいるみたいだ。
ボルムが大樹ヒバへ案内してくれる。
「ここよ」
ボルムが手をたたくと大樹ヒバの根元の幹がおおきな空洞を作り中に入れるようになった。
「入れるの資格があるのは2人だけよ」
ルシファーと夏樹を指名し、他のものは待つようにいわれた。
「待って!私も行きたい!」
ミコトの言葉にボルムが心底嫌な顔をする。
たしかに暴れていたし、グランベヒーモスっていう正体を知ってるみたいだな。
「イブリースの事を聞いておくからすまないが今回は我慢してくれ」
「んもー!絶対だよ!」
「これ魔獣!ルシファー様を困らせるでないでありんす」
「主殿気をつけていってください。この豚は私が潰しておきます」
「おいおい頼むから喧嘩しないでくれよ」
「師匠!また新しい伝説に名が刻まれますね」
「ふふっ今回の件でソーサラブック以上の知識を得られました。嬉しいです」
とりあえずバタバタしたがなんとか待ってもらい空いた空洞にボルムが入り続いてルシファーと夏樹は入っていく。
根っこの部分に身体を取り込まれているようにみえる人影が見えた。
「きたか若者よ。それにルシファーか」
ボルムが木の根元に触れると中の人影が木の根元から取り外される。
「ボルム」
「はい、お父様」
ボルムがひざまづき、杖を渡すとモンタージュでみた姿とは少し年老いてみえるジャービルマリーンがいた。
「少々時間を取られたがこの程度で済んだのはお主たちのおかげだ感謝する。アルムガインを救ってくれた英雄だな。ありがとう」
そういうとジャービルマリーンが深々と頭を下げてお礼をする。
「聞きたい事を教えよう」
「まずはイブリースの所在についてなのだ」
ルシファーが話を聞きたいようだ。
「イブリースはクライブ自身だ。イブリースは違う都市の話もしておった。奴らは巧妙で手強い。情報を遮断し、虚偽の話をしておった。ワシもイブリースの誘いに乗り大樹ヒバを延命にすることにしたのだ。その時アルムガインが知識の混乱に陥っている状態であった。大樹ヒバを治療するためにワシは大樹ヒバと共生しておったのだ」
大樹ヒバが枯れかけたことによりジャービル・マリーンはその後力を使い、眠るような状態になったようだ。
そうしてホムンクルスたちに維持を任せ知識の混乱を出さないようにしていたらしい。
そして今日やっと目を覚ます事ができたようだ。
「お主にはアルムガインのメダルを預けよう。今日から閉鎖された空間を解除する」
夏樹はメダルを受け取り眺める。
メダルにはジャービルマリーンと大樹ヒバの絵がのっている。
大樹ヒバの影響でかなり知識が豊富に閲覧できるようになった
為荒れていた畑や生活環境の改善か見込まれた。
記憶をなくしていた学者たちも復帰でき閉鎖されていた扉が開いている
こうして学術都市アルムガインの旅は終局を迎えた。
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