学術大会に参加せよ
「待っていたぜ。無事試験を合格したようだな!
思ってた通りだぜ!⋯⋯ということでお前ら今度の大会の学術大会に出ないか?
今回大会優勝者は超級クラスの奴等が出向いてくれるようになっていてな。おもしれーと思うんだよ!」
超級クラスの奴等といえば賢王直属である。
成果をあげることで賢王の行動の目的がわかるかもしれない。
しばらくかんがえたあと、このままにはできないし受けることにした。
「確かに面白そうだな。宜しく頼む」
「その言葉待ってたぜ!大会は2週間後だから準備しておけよ。内容は神木ヒバの成長促進についてだ」
神木ヒバ?
『神木ヒバはこの世界における重要な木となってるのだ。ただここ数十年急激に弱っていて大きく育たないみたいなのだ。その木は知識が影響しているともいわれていているのだ』
ルシファーが天地万有の声を通じて答えてくれた。
…なら学術都市に神木ヒバは関係しているのかもしれないな。
学術大会での参加要項は知識における魔力器官の流れについてだ。
なんでも神木ヒバに装置を使い触れることで魔力を流し、知識を得る代わりに魔力で神木ヒバに栄養供給する為、魔力供給出来る人材を10人連れてくるというのが課題になっているようだ。
アクアが重い口を開く
「それうちらホムンクルスの栄養装置やねん」
知識を必要とする媒体に魔力器官を取り付ける事により神木ヒバを経由してホムンクルスたちは知識を与える代わりに栄養を確保する必要があったらしい
最近では魔力供給のレベルの低い新人学者なども参加したため、魔力が逆に吸い尽くされ記憶がなくなるということが多発したが、クライブが気に入らないやつなどの処罰などで使っていたため真相が判明することがなかったというわけだ
10人か…俺、ルシファー、パイモン、レオナ、シェール、ミコト、アバリム、ベルゼブブ、グレア、アクアのちょうど人数が足りている。まあベリルはドラゴンだし。
「狙ってたのかと思う内容だな」
「私たちの行動が筒抜けなのかもしれないですね」
「魔力供給不足による神木ヒバ生育が不十分でうちらは知識の整理が追いついてないねん。
このままやと膨大な知識のオーバーヒートおこして情報が消滅してまうんや。
ここ何年かはパパがどうにかしてくれてといたんやけど限界がきとった。
そのためうちみたいな末端に栄養を渡さず姉様たちだけ情報管理しとったんや。そんなときにあんたらが来たちゅーわけや」
「そんなことがこのアルムガインで起こっていたとは…」
グレアが深刻な顔をしている
アルムガインは学術都市で成り立っているのにその問題が出てきたことで根本が揺らいでしまったみたいだな
「相手も切羽つまっているようなのだ」
「これが解決出来れば一気に流れが変わりますね」
相手が木ならあの職業が使えそうだ
「みんなここが正念場みたいだから頑張っていこう」
◇◆◇◆◇
―― 大会当日
クライブ所長に案内されたのは学問都市の中央部にある地下だ。
中央部の中心にドーム型の広間があり、中心部には樹齢3000年くらいの曲がった大樹があるのだが葉がない。
所々オレンジ色の樹液に覆われた穴(傷)がみられる。
「クライブ。そやつらがそうか」
「ああ…ボルムか。こいつらが今回の大会の目玉だ」
「ボルム姉様…」
アクアがボルムに声をかけるがボルムは見ることもしない。
「神話におけるお伽噺の人物たちとその一味がどんな味わいを感じることができるか見物だな」
さあもうすぐ試合開始だ。
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