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異世界旅行は愛する娘と共に  作者: 月見ヌイ
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プリズン・大爆発!です。

リリの魔法、今日初めて使用してこれで確か「3度目」。サシャ曰く「爆発魔法」と言われるソレは思っていたよりも体力、魔力共に消費が激しく、どちら共大して体内に溜め込んでないリリは二度目の使用で簡単に意識を失い、マナとサシャから魔力を分け与えてもらい何とか動ける、というレベルであった


だが、今回の「策」。その中において自分の爆発、ひいてはソレによっての陽動。これは大きな意味を持つとリリは自負していた。決して虚ろな見栄などではなく、自分の出来る限り合理的に考えた結果であった

先ず、このオオエドは基本的に「平和ボケ」している人らが多い。あくまでリリの勝手な印象づけではあるが、その証拠にこのオオエドにおいて大規模な騒ぎになる程の事件と言うと、十数年前のアレフによる宝具盗みまで遡らなくてはならないと聞く、ここは完全に周りから孤立した離島なのだから妥当と言えば妥当なのだろうが、リリが平和ボケしていると感じるには充分過ぎた


だから、だからこそ自分の唯一人に誇れる(と思う)物、爆発魔法は確実に有効打になると確信していた。と、一応言っておくと爆発魔法と言っても自らの体が爆発四散する訳では無い。もし命を懸けての大技なのだとしたらこうも簡単に覚悟を決める事は無かっただろう。意識が飛ぶくらい安いものだ


(さってと……そろそろ見つけないと)


そんなリリはマナと同様に城の敷地内をコソコソ隠れつつ逃げ回っていた。彼女が今ここに居る事はあの二人以外知りやしない、意外と隠密の才能があるのかもしれない……と、そんな事よりもリリが「何をしているか」の方が大切か。と言っても前述した通りで

その名も「陽動」それも熱く、情熱的な爆発を持ってしての陽動だ。城の人らが混乱すること請け合いだろう

さて、そんな訳で今リリが探しているのは出来る限り目立つ建造物の近くで

自分自身の姿をすっぽり隠せる「何か」がある所だ。何ならさっきの様にゴミ箱でも最悪構わないとまで思っている


城壁の中と言うと、大きな城が一つばーんと建っているだけ。というイメージがあるかもしれないが決してそうではなく、むしろ小さな建造物が幾つかバラバラに建っており、むしろ何にもない所、庭?の方が相対的に割合が多く見える程だ。恐らく真ん中の比較的大きな建物がメインの「城」なのだろう

そして、恐らくアレフもあそこら辺に閉じ込められているはず。だからリリは敢えてそことは離れた城の入口

今は完全に閉め切られて門番が二人程立って惚けている「門」の近くまで来ていた。物陰に潜み、今は周りの状況を冷静に探っていた


(何か我ながら不気味なくらい落ち着いてるなぁ……多分もう少しドキドキしたりするもののはずなんだけど……)


何時だったか見たアニメであった囚われた仲間を助けに敵地に潜入する主人公達────。みたいなシーンをもう思いっきりのめり込んで胸をバクバクさせながら見入ってた思い出があるのだが、何故だろう。いざ自分がやってみるとそうでも無いというか……あんまり気持ちが盛り上がらない、自分って意外と冷血な人種だったのだろうか


(というか、「あっちの世界」で経験してないから判断に困るなぁ……比べっこ出来ないし、うーん……っと)


それはそれとして目当ての場所を見つけた。通路の一角に小さな箱が何個も積み上げられており、姿を隠すには充分すぎる程の高さがある。リリはそこを見つけた瞬間迷いなく箱らの後ろに走り込み、踊る鼓動を押さえ込みつつ前方を見据える。その先には恐らく人が立って敷地内を見渡す役目を請け負っているのであろう「見張り台」がある


(あそこを爆発させたら絶対目立つよね……もしかしたら敵が攻めてきたって大慌てになるかも……よしっ)


リリは狙いを定めた。あの見張り台を爆発させるのだ、幸いにも付近に人の姿は見えないので爆発に巻き込んで怪我をさせる恐れは無い……はず、多分


絶好のポジションは見つけた、後はあそこに「魔法」を当てるだけ。と言ってもこれで実際に使うのが三回目というたけに中々キツイ物がある。体感半径20メートルくらいなら何とか届きそうなのだが、細かいコントロールを補う自信はあまりない


「ふぅ……でも、やらなきゃね。」


リリがそう潔く腹を括ったその時だった


「誰だ、そこに居るのは!!!」


げっ、と思わずリリは自らの口を抑える。思わず言葉が口に出てしまったのを運悪く聞かれていたらしい……いや、運じゃない。自分の不注意か……


「今、確かに声がした。侵入者か?そうでないなら顔を見せてみろ!それ以上隠れるようなら侵入者とみなし容赦なく切り殺す!」


(……ふぅ。これで迷う時間も無くなっちゃったか……ふふっ、殺すって脅されてるのに何でこんな落ち着いてるんだろ)


リリが今一度腹を括ってそう微笑んでいる間にも足音はザクザクとリリの方へ近付いてくる。最初から位置は掴まれていたらしい、足取りに迷いを全然感じない


リリはおもむろに右手を前方、見張り台の方へ掲げる。呼吸数回、先程まで激しい運動によって沸き立っていた鼓動は既に落ち着いている。魔法の使い方も軽く理解している、というか体が勝手に理解している。という感じだ


(……ふふっ、後は任せたよ。マナ)


きっとサシャは怒るからそのカバーもぜひよろしく、ね────────。


瞬間、見張り台が突如無残に爆発四散した。派手な轟音と暴風の合わせ技は使用者であるリリにも影響を与え、ゴロゴロと転がって、そして意識を失った。別に頭を打った訳では無い、体内の魔力が底を尽きそれによって気絶した、という訳だ。そして


勿論、その他諸々にも影響はあった。


▶▶▶


ドゴォン、天地を揺るがす激しい轟音がまたも城へと届いてきた。


「ぷげぁいぁああああああああ!!?」


「お、落ち着き召されいコーガ殿!貴方がそのような奇声を上げては下の者も必要以上に怯えてしまいます!」


大年寄相手に情けなくもしがみつき涙ながらに奇声を上げているその姿は仮にも国を治める主のソレではなく、アレフ相手に大口を叩き威勢よくふんぞり返っている時の方がまだマシだと思えるほどだ。これには長年コーガを見てきた大年寄も困惑し、悩み込んでしまった。辺りを見渡して助けを求めてみても誰もかれもが目を逸らしてしまった。気持ちはわからないでもないがもう少し優しい連中だと思ってただけにあまりの薄情さに涙が浮いてくるほどだ


端でそれをみていたフーガは何となく覚めてしまっていた。冷めた訳でなくあくまで「覚めた」のだ、おかげで少し頭の中が冴え、何をするべきか見えてきた


「フ、フーガ様一体何処へ!?」


「外だ。ボスの所へ行ってくる、駄兄はそこいらに捨ておいて構わん」


フーガは助けを求めるように言葉を投げてきた大年寄にそう笑顔で言ってやると、迷いの無い足取りで外へと向かった。後ろから駄兄の目線を感じた気がするが、そんな事よりも外で分かりやすく苛立った顔で自分を待つボスを考えると、もう何よりも怖い。身震いしてしまう程だ、やはり駄兄の事などどうでも良くなった。急ごう


▶▶▶


「……おっ、部下が来たんじゃないか」


「相ッ変わらず良い耳してんなァ。正解だぜ、馬鹿野郎がやッとこさ出てきやがッた……おいフーガァ、てめェ何してやがッた?」


流石は忍び、城から飛ぶようにボスの傍らまで走ってきたフーガは息一つ乱さず先ずはボスに謝罪の一言を伝え、それから念の為先程の爆発音を伝えた


「あァ、そりャ俺も聞こえたぜ。これで二度目だ、おいアレフやッぱお前らの仕業だろう?」


「いやぁ……俺の仲間に爆発を扱う奴なんて知らないけどな……ま、良いや。」


アレフは先程からずっと同じ姿勢でそう投げやりに呟いた。ボスの耳に届いたかは知らないがアレフは気にも留めない様子で惚けた顔で青い空をひたすらに見続ける


「そろそろかな、ふふっ……楽しみだ」


これもまた、ボスとフーガの耳には届いていない様子だった。続く


▶▶▶


追伸、アレフの所持品の1つである第三宝具「消える(イレーズン・ライト)」っていう物が存在するのですが、それを使えば簡単に脱獄なんて出来るだろう。と思っていた人とかいるかも知れません、居ないかも知れません

しかしライトは現在充電が切れて使えません。充電もただコンセントを挿してスマフォの如く充電する訳ではありません、もうちょっと複雑な過程がある(予定)んです。追伸以上!


続く(二度目)


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