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異世界旅行は愛する娘と共に  作者: 月見ヌイ
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影からの入城、あとお詫び。です

「な、何事だぁ!?」


大慌てで階段を駆け下りてきたコーガは後1、2段くらいという所で軽くつまづき踵を滑らせて着地する。痛みこそあったが今はそれより先程の爆音の正体を知る方が先だと城仕えの者らに顔を合わす度に肩を揺さぶって聞き回っていた


「なぁ、なぁ、何なんだ!?アレフ一味の残党か!?まだ捕まってなかったのか、なぁ!?」


「お、落ち着いて下さいコーガ様!只今調査中ですので、今暫くお待ち下さい

檻の方はボス様が見張ってくださってますのでご心配いりませんし……ですので、さぁさ座って座って。」


そう言って猛るコーガを無理矢理に座らせたのはやはり右近……ではなく、城の中でもそれなりの地位に着く大年寄だった。あの黒い忍びは先程から何処かしらに姿をくらましてしまったがコーガはそれに気づく素振りも見せない。それどころか本当に毛ほども気づいてないようで、床に腰を落ち着けた今も忙しなく体を揺り動かしている。


(無理もない。あの「宝具盗り」の一件以来こんな大事はこのオオエド、一度足りとて有りはしなかった。それもその宝具を盗った張本人を捕らえ、もう数時間で全てが終わるというのだ。慌てもするだろうが……いや、しかし)


確かに、あの爆発音の根源は気になる

ちょっとしたボヤ騒ぎで済めばいいが二次災害でも発生すれば大泥棒一味に関わってる場合ではなくなる可能性だってありえる。そうならなければそれで済むのだが、果たしてどうなるか


時に、人の不安感や焦り。心配は人に移る物で、コーガの預かり知らぬ内に城内は段々と喧騒に包まりつつあった


▶▶▶


幾らか時を逆行し、女性陣

彼女らは城の敷地内に囚われたアレフを救い出すべく城壁の外で何やらガサゴソとやっていた


「よしっ、やるじゃないリリ!バッチシよ。マナ、次は私達の番よ」


「よっしゃー!」


マナは屈伸運動を繰り返し、やる気十分といった様子で声を上げた。サシャは口から黒煙を噴いて失神しているリリを背に逃げる準備を整え始めた

さて、そういう訳で現在白目を剥いているリリの作戦の大まかな内容はこうだ


先ず自分が先程やった様に爆発を城付近で起こし、周囲に居る人間の注意を惹き付け、あわよくば「確認」しに来てもらう。城内の人間も幾らかは外へ出てくるだろう、するとイヤでも警備の薄くなる場所が出るはず。そこから侵入する、という物だ


実に予想通り、リリの爆発によって野次馬が続々と爆発源を一目見ようとゾロゾロ集まってきた。見るとその中にちらほらと城の人間が見える、焦っている辺り城の中で結構な話題になっているのかもしれない


(混乱に乗じれば事は容易く成せる。これ、何の言葉だったっけ……にしてもこの子、本当に凄いわ。原理も理解しないままに魔法を使うなんてねぇ……)


魔法とは本来、意味。即ち魔法の原理を理解しないと発現、そして使用が出来ない代物なのだ。少女ながら魔法を自由自在に使うマナの様に至極例外的な存在もいるが、基本的にどれだけの才覚を持つ魔法使いでも数十年程掛かってやっと自身の才能を活かせるというのが世の摂理で、他でもないサシャ自身もそんな経験を経ての今がある。それだけに今、自分の前に立つ二人の少女らに対し心から驚嘆していた。感動とも言うべきか、長い寿命を持つエルフ族は血筋のせいなのか嫌でも研究者気質な所がある、サシャも例外では無い。故に今すぐにでも背中の少女を叩き起して話を聞きたかったが流石に可哀想なのでそれは自重しておいた


何にせよ無事に作戦は動き始めた。次にやる事は城への「侵入」


「時間が無い、頼むわよマナ」


「よっしゃっしゃー!」


マナは気合いもそのままに高く高くそびえ立つ城壁目がけ飛び上がった。元より運動能力に限ってはサシャより幾らか上のマナだ。余裕で城壁の一番上まで辿り着いた、がすぐさま敷地内に入るわけでなくその場で姿勢を低くして辺りを見渡す。作戦のこの段階においてマナの役割は「目」、サシャが「脳」を務める事になっている。この二人の連携が作戦の是非が決まると言っていいだろう……と、一通り見渡し終えたのかマナは下方のサシャに目配せと事前に決めておいたハンドサインを手早く交わす


(見張り、薄、ここから、行く。了)


(OK、ありがとう)


さて、身軽且つ前述の通り運動能力が軒並み高水準なマナはともかくサシャは失神しているリリを背負った上でこの城壁を登らないといけない。普通に考えれば「不可能」が言葉の頭に着きそうな物だが、サシャの顔には心配の欠片も有りはしなかった。


サシャは口の中で何やら小さく言葉を紡ぐと、フワリ。と突如サシャの体が宙に浮いた。いわゆる風の魔法、その一種である。なるほど「普通」なら確かに不可能、しかし普通とは対極に位置している魔法、それを使う魔法使いならばこういう事も可能だろう

心配及ばず、難無くサシャが城壁のてっぺん。マナの横に着地するとそこで一度リリを降ろした


「ふぅ……本当に見張りがこの辺りだけゴッソリ抜けてるわね。これもこの子の、リリの予想通り……凄いわ」


「うん。あ、リリをおこさなきゃね」


そう行ってマナはおもむろにリリの右手を握り、それを習うようにサシャが左手を握り込んだ。というのもリリが魔法使用後に意識が無くなるのはたんに体内の魔力が欠乏しているからではないか、とサシャは考えた。栄養失調等と考えると分かりやすいかもしれない

つまる所、外部から栄養を分け与えてやれば良い。幸いにも魔法使い二人はそれが出来た、暫くもしない内にリリは目を覚まし。何度か瞬いてから二人に現状の説明を求めた


「リリのいうとーり、けいびのひとたちがちょっとへってる。」

「上手く外に惹き付けれていたわ。けど、魔法を今日はもう使っちゃダメよ。また倒れてしまうし……それに」


それに、この子はもしかしたらとんでもない才能を秘めた。金の卵という存在なのかもしれない、それこそマナ同様の……


「……うん、うん。わかりました、大体予想通り。侵攻は上々、って感じですね」


「つぎは?パパさがせばいいんだっけ」


「うん、と言っても無闇矢鱈に探し回っても見つから無いと思う。ここ結構広いみたいだし……だから、ヤマを張ろうと思います」


そこからリリはゆっくりと自分自身で確かめるように、己の考えを披露しそこから練った策を提案した。マナもサシャも口を挟まない、黙って、時に頷いてリリを見つめていた


「────と、言う感じで。ど、どうでしょう……な、何で二人とも何も言わないんですかぁ……!」


「……リリってすごいんだねー。おきてあんなすぐにそんないろいろかんがえたなんて……」


「かっこいい」、とマナは目をキラキラと輝かせてリリを見ている。あまりの眩しさにリリの方が目をくらましてしまった。思わず顔を背けてしまう程に

そして、背けた先にも似たような顔があった


「タダのちょっと鈍臭くて可愛い女の子だと思ってたのに……こんなの、評価上げなくちゃいけないじゃない!」


こっちの150歳のエルフもマナに負けないくらい目を輝かせている。もはやリリに逃げ道は無い、少女は諦めて策のまとめを簡単に伝え終始好色の視線を向けていた二人が城壁から敷地内の庭に降りていくのを静かに見送った


「……格好良い、か」


そんなの「あっち」では言われた事無かったな。なんて事を密かに考えながら


続く


▶▶▶


本作の作者、月見ヌイからのお詫び


投稿期間、数日空いてしまったのにはとある事情があります。と言ってもなんて事は無いタダの学校行事なんですが、長崎の方へ言っていました。

自分は普段スマフォを使ってネット小説を書いているのですが、学校主催の行事故スマフォは使用出来ず、皆様に何の連絡も無いまま投稿出来ない数日を送ってしまいました


解決策、と言うにはあまりに簡単かもしれませんが、今後はこの様な事が起きる前にきちんと事情を伝えようと思います。今回で言うと「修学旅行で長崎に行くので小説が書けません。ご了承ください」等でしょうか


あんまり長くなってもつまらないでしょうし、お詫びはこの辺で……それでは、またの機会に

読者様の従順な犬、月見ヌイでした。


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