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ボクはボクっ娘 魔族の娘  作者: 風鈴P
第8章 ビエルカ大陸・皇帝との対峙
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第74話 そして決着へ(1)


「ち…!」

マクシミリアンが舌打ちした。

そして回避動作をしようとしているようだ。


マクシミリアンの動作は幸いにも機敏ではない。

だがこのタイミングで魔法を放っても回避されてしまうかもしれない。

逃がすわけにはいかない。


ボクは一気に距離を詰めた。

ここは何としても足止めをする。


「…来るか?」

マクシミリアンはボクの攻撃を受け止めようという体勢だ。


(リディ! 瘴気が多く出てるわよ!)


そうだ、ボクが奴ならそうする。

ボクは身体攻撃を掻い潜って攻撃できるからだ。

奴の瘴気は生きながら体を腐らしてしまう。

そうであれば瘴気を“防御壁”として利用すればよい。

想定の内だ。


ボクは道具袋から呪文書(スクロール)を取り出した。

これは風の魔法を籠めてある呪文書(スクロール)だ。

これで奴の瘴気を吹き飛ばす。


呪文書(スクロール)が発光した。

ボクの体を中心に、強い風が渦巻き始めた。


「ぬ、ぬぅ!!!」

マクシミリアンがボクの攻撃を防ぐかの様に右手を前に出した。

ボクは意に介さない。

風の魔法の効果があるうちは瘴気を吹き飛ばすことが出来る。

ボクはマクシミリアンの右腕を避け、懐に潜り込んだ。

マクシミリアンは右手を硬化させていたはずだ。

ならば…!


ボクはマクシミリアンの腹に爪を立てた。


「グ、グォォ!」

マクシミリアンがうめき声を上げた。


ボクは攻撃を続けた。

爪を引き抜き、爪と剣でマクシミリアンの足を攻撃した。


「グ、貴様ぁ!!!」

マクシミリアンの顔は怒りの表情を浮かべながらガクッと膝をついた。


(リディ! 撃つぞ! そこを離れろ!)

リシャールからの念話だ。


ボクはその声を受け、マクシミリアンから離れようとした。

しかし…!


「く…!?」

服をマクシミリアンに掴まれてしまった。

ボクはマクシミリアンを見上げた。


「ククク…、逃がすと思うのか?。貴様を捕まえておけば奴らは魔法を撃てぬ!」

マクシミリアンが脂汗を流しながら笑った。


「シルビア! リシャール! ボクに構わず魔法を撃つんだ!」

ボクは声を張り上げた。


「し、しかし!!?」

「良いから撃て! 次のチャンスはもう無いかもしれないんだぞ!」


二人の魔法を受けたら、ボクも死ぬだろう。

だがそれを恐れてこの機を逃したら…


「うわぁぁぁ!!」

リシャールが意を決したように大声を出しながら魔法を撃った。

シルビアも一瞬躊躇したがそれに続いた。


強大な魔法がボクとマクシミリアンに迫った。


「バ、馬鹿な!?」

マクシミリアンが狼狽えた。

それでもボクを掴む腕を離さない。


その時旋風のように、魔法よりも速く近づく影がひとつ。


「な、何だ!?」

ボクはそれが何だか分からなかった。

だがその瞬間。


「グォォォ!」

マクシミリアンのうめき声が聞こえた。

ボクを掴んでいた腕が、マクシミリアンの胴体から離れた。


目に飛び込んできたのはヒスイの姿だった。

そしてボクの体を抱き上げると、そのままの勢いで駆け出した。

何と、お姫様抱っこだ。


瘴気の恐怖は無かったのだろうか?


「ヒ、ヒスイ…!?」

ボクはヒスイの顔を見た。

彼は少しムスッとしていた。


「も、もしかして怒ってる?」

「リディ、約束したろ?」


約束…?

何が言いたいんだ?


「俺達は仲間だ。先走るのはナシ、だ。」

「あ、ああ…。そうだね…」



ヒスイのお陰で、ボク達はリシャール達の魔法の攻撃範囲外から出た。

そして、マクシミリアンに魔法が命中した。











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