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ボクはボクっ娘 魔族の娘  作者: 風鈴P
第2章 旅立ち編
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第17話 城塞都市ロクロワ(1)

ボク達は街道“跡”を東に向かって歩いていた。

何故、街道“跡”かと言うとこの大陸は妖精族(エルフ)や他の勢力、そして魔物の影響が大きく、人族の生活圏がかなり縮小しているらしい。

この大陸の妖精族(エルフ)は非常に排他的であるし、その他の勢力も交易には否定的で街道を管理する者がいないのだ。

管理されていない人工物は、当然衰退していくものだ。


しばらく進むと遠くに城壁のようなものが見えて来た。


「あれは人族の町、城塞都市ロクロワだ。」

リシャールが教えてくれた。

リシャールが言うにはこの大陸はベルゴロド大陸と呼ばれているらしい。

先述の通りこの大陸における人族の生活圏はかなり縮小しているが、三つ残る大きな都市のひとつが城塞都市ロクロワと言う事である。

ボク達はロクロワに近い小高い丘までやって来た。

ロクロワは周囲を城壁に囲まれており、『城塞都市』の名の通り護りが堅そうだ。

「ロクロワは人口5000程度だが、あの通り堅固な城塞都市だ。妖精族(エルフ)も攻略を狙っていたが叶わなかったのだ。」

「ふーん。確かに極大魔法で焼き払わない限りは“滅ぼすのは”無理そうだな。」

ボクは頷いた。

おっと、つい魔族的思考になってしまった。

“滅ぼす”というのは完全に無きモノにするという事で、攻略するなら何か別な方法はありそうだけど。

「ねえ、リディ。俺達の食料もそろそろ少なくなってきたんだけど、あの町には寄るのか?」

「うーん、そうだな…」

ヒスイの言う通りだ。

魔物狩りをすれば食肉などは手に入るかもしれないが、調味料などや他の食材も欲しい。


「リシャール。あの町はボク達みたいな魔の者は拒絶するのかな?」

「どうかな? 魔の者であっても町に入る権利があれば、完全に拒むことは出来ないんじゃないか?」

「町に入る権利ね…」

ボクは手で顎に触れた。

「あ、あるな。入る権利が…」

「え、どうやって?」

ヒスイがボクの左肘のあたりを掴んだ。

「ボクは冒険者ギルドに登録しているから、冒険者カードを持ってるんだ。このカードがあれば、冒険者ギルドがある町なら入れるはずだ。」

「なるほど、その発想は無かったな。人族の町はある程度の規模であれば冒険者ギルドあると聞いたことがある。そう言う事なら大丈夫だろう。」

リシャールも頷いた。

「とりあえずあの町に行って、色々と補給するとしよう。宿が取れれば、少し休息しても良いかな。」

「そうだねー!」

ヒスイがぴょこぴょことはしゃいでいた。

可愛い。


という事で、ボク達は城塞都市ロクロワに立ち寄る事とした。



そしてボク達はロクロワの城門に差し掛かった。

「止まれ! 顔を見せろ!」

衛兵がボク達を制止した。

さすがに顔を隠したままの通過は無理か。

ボク達はフードを脱いだ。

リシャールにもボクと同じフード付きの外套を渡していた。

これはボクの魔力で生成出来る、いわば闇魔法の外套である。


「その肌の色…。魔族か!?」

衛兵が青ざめた表情で言った。

その発言を聞いたのか、数名の衛兵が集まって来た。

「貴方の言う通りボクは魔族だ。そしてボクの仲間は人鬼(ホブゴブリン)黒妖精族(ダークエルフ)だよ。でもボクはこの通り冒険者だ。この町に冒険者ギルドに立ち寄ろうと思っている。」

ボクは衛兵に冒険者カードを渡した。

ヒスイ達は今言ったものより上位の種族だが、それは言う必要は無いだろう。

「むう、確かに間違いは無いようだな。」

衛兵は一通りのチェックを終え、ボクにカードを返してくれた。

「この二人も冒険者登録をしようと思っている。一緒に通って良いだろうか?」

「ふむ、しばし待たれよ。」

衛兵は一礼をして詰め所に走っていった。

冒険者という事で最低限の礼は持ってくれているようだ。


「お待たせ致した。私はこの町に衛兵隊長のエクトルと申します。」

なんと、衛兵隊長が登場した。

背の高い、中々に実力がありそうな武人肌の人間と言ったところか。

「これはご丁寧に…。ボクはリディと言います。」

ボクは会釈した。

「しかしロクロワの衛兵隊長殿がお見えになるとは、いったいどういう事ですか?」

「気を悪くしないて頂きたい。別にあなた方をどうこうしようという事では無いのです。」

衛兵隊長のエクトルはヒスイ達を一瞥した。

「ロクロワは“人の町”です。リディ殿は他の大陸からお見えの様だが、この大陸では人とその他の種族の関係は良くない。もちろんリディ殿は冒険者カードをお持ちであるから正統な権利を持って我が町に入る事が出来ますが、面倒事に巻き込まれぬ様配慮が必要なのです。お仲間も人外の様ですからな。」

エクトルの言う事はもっともだ。

別にボク達はこの町で面倒を起こすつもりは無いし、巻き込まれたくもない。


「お心遣い、痛み入ります。ではどうすれば宜しいのかな? エクトル様。」

「我が町への滞在中に関しましては、私が同行させて頂きます。ご希望であれば、町の案内などもさせて頂きますよ。」

なるほど。監視を兼ねて、と言う事だろう。

「分かりました。是非お願いします。まずは冒険者ギルドに立ち寄りたいのと、出来れば宿を紹介して頂きたいのですが。」

「畏まりました。では参りましょう。おい、門を開けよ。」

エクトルの命を受け、衛兵が城門を開けた。


こうしてボク達は城塞都市ロクロワに入城したのである。

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