表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

緋夏・秋名との出会い

 これは、俺がまだ小学校に入る前の話だ。当時は……確か四歳だったと記憶している。

 物心がようやく付いてきた頃、俺はとなりに引っ越してきた家族と顔を合わせていた。

「――」

「――」

 俺の両親と引っ越して来たというご夫妻が、遙か頭上でにこやかに談笑している。当時の俺には、その会話は高すぎて、難解すぎて、よくはわからなかった。


「……」

 だから、というわけでもないが、俺は夫妻の背中に隠れている女の子二人に視線を向けた。


「――ん、ああ、紹介するよ。娘の緋夏と秋名だ」

 優しそうなお父さんが、俺に目線を合わせて、二人の娘を少し前に。

 一人は小さく髪を結んだ女の子。値踏みするように、俺をじっと見つめている。

 もう一人は興味なさげにうつむいて、こちらに向き直る気はないようだった。

 俺をじっと見つめている娘が緋夏。うつむいている方が秋名。これから長い付き合いになる少女たちだ。


「キミのお名前は?」

 二人の父親が俺に優しく問いかける。今も昔もこの人は変わらない。

「……はるや、です」

「春弥くんだね。娘たちはキミと同い年でね。もしよかったら、仲良くしてやってくれ」

「ん……わかり、ました」

 まだ不慣れな敬語を必死に使って、俺は答えていた覚えがある。


「ええと……はるやだ。よろしく」

「よろしく。ひなつよ。仲よくしましょ」

「……あきな。……よろしく」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ