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桜の舞う昼休み。
4月に第一志望だった大学に入学し、
楽しい学生生活を謳歌している 泉詩織は、
誰にも言えない"秘密"を持っていた。
「桜が綺麗だね〜」
隣で呑気に桜を見ているのは、
高校からの友達である 佐伯史華だ。
「ねぇ…史華。」
「なぁに?」
彼女は天然パーマで、
ふわふわと揺れる髪に桜の花弁が一枚…
「…桜、髪についてるよ?」
「あっ…ほんとだ〜」
ふふ。と可愛らしい笑みを浮かべる。
そんな彼女にでさえ
秘密を教えることは出来ない。
兄の事を愛してるなんて。。。