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採集⑤

 

 エキュ達五体のゴブリンの先導でカタリナ達はエルゲナー森林地帯に入っていく。


 先程の集落を出て森林地帯に入ると途端に薄暗くなり、周囲に魔物の気配が立ちこめる。


「みんな…警戒を怠るなよ」


 『紅い風』のフィグルがメンバーに声をかける。このエルゲナー森林地帯に立ちこめる魔物の気配をさっそく感じ、警戒感を強めたのだ。


「「「了解」」」


 それに対し、メンバー達も短く返答する。


「シア…」

「うん…今のところ大丈夫ね」

「そうか…シアがそう言うなら大丈夫だな」


 一方でシアとジェドは周囲を見渡してはいるがそれほど警戒はしていないようだ。これは別にエルゲナー森林地帯を舐めているわけではなく殺気を感じていないことに対する反応だった。

 またジェドは自分でもある程度の探知はできるがシアには遠く及ばないことを自覚しているためシアの言葉がでた段階でこちらに魔物が襲撃してくる段階ではないと考えたのだ。


「ベシー…どうだ?」


 『黒剣』のリーダーであるアルガントが自身のチームのレンジャーであるベシーに聞く。


「大丈夫…結構、魔物達は遠いよ」

「そうか」


 ベシーの返答にアルガントは満足気に頷く。さしあたりは安全のようだ。




---------------------


 カタリナ一行はそのまま1時間ほど何事も無くエルゲナー森林地帯を進んでいく。


「ん?」


 ジュスティスが声を出す。するとカタリナも…


「ん?」


 カタリナが声を出ししばらくするとシアも…


「ん?」


 と声を出した。3人が立て続けに声を出したことで全員に緊張が走る。二つのチームはそれぞれの索敵を担うレンジャーに目を移す。ところが『紅い風』のレンジャーのリックも『黒剣』のレンジャーであるベシーも索敵に引っかかってないのだろう。戸惑いながら首を横に振る。


「来たか…」


 次いでジェドがそう言葉を漏らす。


「何言ってるんだ。うちのベシーは何事もないと言ってるぞ」


 『黒剣』のリーダーであるアルガントがジェドに言う。ジェドはアルガントの言葉には答えずにカタリナに声をかける。


「カタリナ…戦うか?それとも隠れてやり過ごすか?決めてくれ」


 ジェドはカタリナに言う。アレン達にジュスティスとカタリナの実力を聞いているので負けるとは思えないが無駄な戦いをするべきではないとも思うのだ。


「正直な所、隠れてやり過ごしたいけど無理ね。戦うしかないわ」


 カタリナはこちらに向かってくる魔物がまっすぐ向かってきている事から確実にこちらを捕捉していることを察していた。そのため隠れてやり過ごすのは不可能と考えたのだ。


 カタリナの言葉を聞き、ジュスティス、ジェド、シアも頷く。


「エキュ達は私の後ろに戦闘は許可しないわ。あなた達がやられればこちらの不利益は計り知れない…わかった?」

『『『『『ハッ!!』』』』』


 エキュ達ゴブリンは一斉に頷くとカタリナの背後に動く。


「『紅い風』『黒剣』は自分達のリーダーの指示通りに動いてね。でも勝手に逃亡するのは許さないわ。この状況で勝手な行動してはぐれてしまえば間違いなく死ぬわよ」


 カタリナの言葉に『紅い風』『黒剣』は頷く。


「ジュスティスさんとシア、ジェドも自由にやって良いわよ。ただし先が長いことを考えて行動してくれると助かるわ」


 カタリナの言葉の真意を3人は察していた。すなわち先が長いとは体力を温存という意味ではなく、ここで『紅い風』『黒剣』を消耗させないようにしてくれという事だ。


「わかったよ。ところでカタリナちゃんも先が長いことをきちんと考えてくれると助かるよ」


 ジュスティスはニコニコと笑うとカタリナも苦笑する。


「一応、私は護衛対象なんだけど…」


 カタリナもジュスティスの言葉の真意を察している。その様子を見ていてシアとジェドも苦笑していた。


「それから荷物運びの人達…」


 カタリナの言葉は先程までの声とは打って変わって冷たいものになっている。アレン達から事の顛末を聞いているカタリナは当然のことながら『駒』に対して冷淡だった。


「あなた達は命をかけて『荷物』を守りなさい」


 カタリナの口調、視線などを受けて駒の男達は顔を青くして頷く。


 カタリナの言葉が終わった瞬間に全員が魔物達を迎え撃つ準備を始める。



「…ほんとだ」

「魔物がこっちに向かってきてる」


 『紅い風』のレンジャーのリックと『黒剣』のレンジャーであるベシーの索敵にやっと引っかかったのだろう。魔物達の襲撃をメンバー達に告げる。


「数は?」


 『紅い風』のリーダーであるフィグルがリックに聞く。


「約30といったところだ」

「亜人種か?」

「いや、足音からして…二足歩行はしていない感じだ」

「そうか…昆虫型の魔物ならやっかいだな」

「マルト、キース…援護を頼むぞ」

「ああ」

「まかせろ」


 『紅い風』の面々はそれぞれ武器を構え、魔物達の襲撃に備える。


 一方で『黒剣』のアルガントもメンバーに指示を飛ばす。


「イライザはいつものように俺と前衛、ベシーは遊撃、リベカは俺達を支援してくれ」

「「「うん」」」


 アルガントの指示に『黒剣』のメンバーは頷くと戦闘態勢に入った。



 カタリナ一行が準備を整え、しばらくすると魔物達の足跡が全員の耳に入ってきた。



 ほとんど話が進んでいませんがご容赦ください。

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