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騎士①

 墓地の門の前で、アレンは同行者を待っている。


 ほどなくして、3日前にやってきた近衛騎士のクライブにつれられて、4人の騎士が現れた。

 クライブは、アレンに挨拶をして、同行者の4人の騎士を紹介する。


 まず紹介されたのは、ウォルター=ローカス、21歳とのことだ。身長も高く、短く刈り込んだ髪型、鋭い目であり優秀な騎士でることを伺わせる。

 二人目は、ロバート=ゼイル、これまた若く21歳、メガネをかけており、騎士というよりも魔術師といった感じだ。しかし、近衛騎士に配属されるぐらいだ、体術、剣術共に非凡なわけがないだろう。

 三人目は、ヴォルグ=マーキス、20歳とのことだ。前の二人よりも一回りは体の大きさが違う。力で押しつぶす戦法が得意そうな感じである。

 最後の四人目には、アレンも驚いた。なぜなら女性だったためだ。ヴィアンカ=アーグバーン、今年で18歳になる。ヴィアンカのことは、アレンも知っていた。若干18歳で近衛騎士団に入団を許可された新進気鋭の騎士だ。

 正直アレンは、ヴィアンカを筋骨たくましい、大女と想像していた。だが、実際のヴィアンカは、髪こそ短いが、可愛らしい顔つきの美少女であった。慎重も女性としては高い部類に入り、体型も女性らしく、一見、近衛騎士というよりも社交界でダンスをする方が似合っている。


 アレンも簡単な挨拶をしたところで、クライブが4人に向けて、口を開く。


「よいか、これより貴様ら四人は、墓地敷地に入る。知っての通りアインベルク卿が、この墓地の管理者だ。貴様ら四人はアインベルク卿の指揮下に入る。アインベルク卿の命令は、上官のものと心得よ」

「「「「はっ!!」」」」


 四人が声を揃え、クライブの命令に応える。


(さすがに近衛騎士だな、いちいち動作が絵になる。)


 アレンは近衛騎士のきびきびした動作に感嘆する。


「アインベルク卿、それではこの4人をお願いしたします」

「分かりました。クライブさん、ご期待に添えるようにがんばります」


 クライブは、アレンに四人を託すと、自分は王宮に戻っていった。


 今回の目的は、4人の鼻っ柱をおり、近衛騎士団以外への上から目線を改めさせる事である。そのためには、クライブの目が全く届かない状況を作った方が良いとの事だったので、墓地敷地に入るのはアレンと四人だけということになったのである。


 クライブの姿が見えなくなると、とたんに四人の雰囲気が変わる。当たり前だが、アレンに対しての敬意など微塵も感じられない。アレンは笑いをこらえるのに必死だった。あまりにも予想通りだったからだ。


(まぁ、最初から近衛師団至上主義だという事は分かってたしな。それでは、まず、本当に上から目線をするだけの実力があるかどうかを見てみるか)



 アレンと四人の騎士は墓地の門を開けて、敷地内に入っていった。


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