クラス発表
「海里、何組?」
相野という苗字は、なんて探しやすいのだろう。
クラス発表の名簿をもらった私は一瞬にして自分のクラスを把握した。
「私も1組!まーちゃんと同じだよ!ホラ!」
海里が手元の名簿を見て、嬉しそうに私と自分の名前を指差す。
「あぁ、ホントだね!」
「良かったー、これで楽しく高校生活送れるよー」
「大袈裟でしょ…」
「まーちゃんも、もっと喜んでよねー!中学3年間一度も同じクラスになれなかったんだよ?やっと一緒になれたんだからさー」
「はいはい」
無邪気に喜ぶ海里を見ていると、つい自分は冷静ぶってしまう。
でも、素直に喜ぶ海里を見てたら、それだけで胸が一杯だった。
「よっ!!」
突然肩を叩かれた私は、ビクッとして振り返る。
「なんだ、新貝か…」
私は驚いて損した気分になる。
新貝環は、中学が一緒の男友達。
「二人とも、同じクラスだったんだろ?良かったな」
「新貝は?」
海里がクラス発表の名簿を見ながら訊ねる。
「俺?5組…遠すぎて会うことないだろうな」
「あら、残念」
プッと笑って見せると、新貝が眉間にシワを寄せる。
「まさ美、お前残念って表情かよ、それ」
「新入生の皆さん、入学式を執り行いますので体育館に集合してください」
先生のアナウンスで、私たちは体育館へと向かった。




