表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

まさ美と海里

桜の花びらがハラハラと舞い散る。

そんな桜の木の下で、私は幼馴染みの海里を待っていた。


(あの日も、こんな景色だったな…ーーーー)


『まさ美ちゃん、海里(かいり)ちゃん…』

ふと思い出すのは、海里と共通の幼馴染みの嘉藤(かとう)(わたる)が最後に、私たちに言ってくれた言葉。


『またね』

さよならではなく、希望の言葉だった。




桜が咲き乱れている春…ーーーーー、

十年前のこの季節に私は初めて、友達との別れを経験した。


「おはよ、まーちゃん。」

ようやく玄関から出てきた海里が長い髪を靡かせながら私に微笑んだ。


「海里…、おそい」


「また思い出してたの?(わたる)くんのこと」

海里が私の文句を華麗にスルーして、エスパー並みの発言をする。


「…―――まさか、もう10年だよ?」


「へぇ?10年も経つんだー、よく覚えてるね」


「…意地悪…」

私が敗北を認めると、海里が満足げに微笑んだ。


「まーちゃん、渉くんのこと大好きだったもんね」


「海里だって、好きだったくせに」

私が言うと、海里が微笑みで誤魔化す。




――――幼馴染みの嘉藤渉くんは、私たちの初恋だった。


でも、渉くんはもうこの町に居ない。


引っ越してから10年も経つのだから。




「早く行かなきゃ、学校遅刻しちゃうわ」

海里が腕時計を見て、わざとらしく言う。


「誰のせいよ!私は毎日待たされてる方なんだけど?」



こうして、高校生活初日も、マイペースな海里に振り回され、バタバタと登校することになりました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ