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アンゲルス  作者: Leone
第四章 遠征
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第百九十六話 移動手段

 エレシスと合流したランツァ一行。

 アンゲルスの秘密基地へと向かうため、エレシスが入り口を作り出す。

 うっすらと、少しずつ浮かび上がってくる魔法陣。

 それを見ていたランツァは、今まで訊いていなかったあることをエレシスに尋ねる。

「ずっと気になってたんだけどさ、その入り口ってどうやって作るんだ?」

「それは後にしてください。万が一先輩方が認められなかった場合、内情を漏らしたことで僕が裁かれますので」

 すみませんと、少々困った表情で答えるエレシス。

 ランツァはそれもそうだと納得しながら頷いてみせた。

 そんなランツァを見ながら、エレシスは続ける。

「ちなみに、これは基地に直接通じている入り口ではないんですよ」

「それは、どういう意味……?」

 エレシスが何を言っているのかわからず、ランツァは頭上に疑問符を浮かべていた。

「アンゲルスの基地へ足を踏み入れたことのある者なら、いずれ理解することになるのでこれだけは教えます。入り口はどこにでも作れるものではないんです」

 どこにでも作れるものではない。

 その言葉を聞いた瞬間、ランツァは最初にアンゲルスへ訪れた時のことを思い出した。

(あの時、キリエはわざわざ移動して入り口を作っていた……)

 そう。

 特定の場所でのみ生成可能であるからこそ、キリエは移動して入り口を作っていたのだ。

 だが、エレシスのやり方は違う。

 入り口を作れる場所へ向かうことはなく、この場で何かを生み出そうとしている。

 おそらくそれは、移動を不要にするためのもの。

 つまり、どこにいてもアンゲルスへの入り口を作り出せる手段。

 一見便利に見えて、実は非常に危険。

 そのことに、ランツァはすぐに気づいた。

 もし、敵にこの方法を使われてしまうようなことがあったら――。

(あんな怪物に、敵うはずがない……)

 ランツァの脳裏に浮かぶ、ある王の姿。

 斬り落としたはずの腕を、いとも簡単に治してしまう化け物。

 それは……不気味に笑う、ロイドの姿。

 途轍もない不安に襲われながらも、ランツァは今自分にできることだけを考えるようにする。

 そして、

「できましたよ」

 遂にエレシスが入り口の生成を終え、彼らは魔法陣に呑み込まれるようにその場を跡にした。

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