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アンゲルス  作者: Leone
第四章 遠征
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第百八十八話 謎の黒い影

 ほんの少しだけ、時は遡る――。

 薄暗い一室の窓辺に、ロイドは腰掛けていた。光源は三日月のみである。

「そろそろだな……」

 小声で独り言を呟くロイド。

 だが、心の中は狂気に満ちた喜びで溢れていた。

「漸く、奴らを殺せる……」

 ロイドにとって殺戮衝動とは、本能そのものと言っていい。それほどまでに殺しを好み、この上なく闘いに餓えているのだ。

 そして、その餓えは既に限界点を超えていた。

「もう、我慢ならねぇ……!」

 抑えきれない欲望。

 ロイドは静かに立ち上がり、舌舐めずりをする。

「待っていろ、小僧共。今行く!!」

 牢屋の所へ向かおうと、ロイドが一歩踏み出した瞬間だった。

 凄まじい爆音が、地下の方から聞こえてきたのだ。

「ほう……」

 即座にロイドは思考を巡らせ、今何が起きているのかを推測する。

(脱走か……? いや、それにしては派手すぎる。だとすると――)

 罠である可能性が高い。

 それが、ロイドの考えだった。

「小賢しい真似を……。まあいい。少しは楽しめそうだ」

 不敵な笑みを浮かべながら、ロイドは牢屋へ向かうべく歩を進める。

 この時、ロイドは気づいていなかった。

 ――いや、気づけなかった。

 室内にある鏡の前を通った後、ロイドに続いて黒い影が鏡に映っていたことに――。

 そこには『存在するはずのない何か』であるからこそ、ロイドは気づけなかったのだ。

 この黒い影の正体は、一体何なのだろうか。

 その答えは、間もなく明らかになる。

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