第百七十五話 加われぬ四名
フェルムボールの練習が終わり、学校でティナと別れた後だった。
ランツァ達四人組が、下校している時。
「まったく、何を考えているのやら……。正体がバレたらどうするのよ?」
呆れた様子で文句を言っているのはレリアだ。
このような態度を取っている理由は、ランツァとウィリアムの愚行のためである。
下手をすれば、自分達の正体を知られていたかもしれない。そう思い込んでいるから、文句を言って当然なのだった。
「悪かったよ……」
謝罪するウィリアム。
「俺も……」
ランツァもまた、本当にすまなさそうにしながら謝っていた。
そんな時、キリエが唐突に妙なことを口にする。
「レリア。このくらいにして、あれについて話さないと……」
「何だよ、あれって……?」
何も知らされていないランツァは、少々訝しげに問いかけていた。
「後々、必ず知ることになるだろうから、単刀直入に言うわね」
その場に走る、妙な緊張感。
キリエがこれから話そうとしていることは非常に重大なことであると、ランツァとウィリアムは直感的に悟っていたのだ。
願わくば、その直感が当たらないでほしい。そう、二人は願っていた。
だが、現実は残酷だった。
「ランツァ、ウィリアム、ガルメラ、ジェネス……。この四人は、アンゲルスには加われないことになったの……」
「え……?」
「どういうことなんだよ……」
キリエの言葉は、ランツァとウィリアムの想像を遥かに上回るものだった。
そのため、彼らはただ呆然とするしかなかった。