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アンゲルス  作者: Leone
第四章 遠征
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第百七十二話 王の城へ

「さて、どうするか……」

 アザルドにいるヴァルナスは、そう呟きながら、これからどうするかを考える。

「先代の王が殺されて、あいつがアグウィスを探しに行って……。それからあいつがどうしてるのか、知らねえんだよな……」

 そう。実はフレディが今どこにいるのか、ヴァルナスは知らないのだ。

 では、なぜアザルドに来たのか。

 それは、フレディが悪魔であるため。悪魔なら、普段はアザルドにいるだろうという単純な思考が原因で、ヴァルナスはここにいるのだった。

 フレディがここにいるとは限らないことくらい、ヴァルナス自身わかってはいるのだが。

 とはいえ、闇雲に探すよりかは幾分かマシなはずだ。

「よし。それじゃあ、城にでも戻ってみるか」

 城というのは、破壊を称するレギオンの王が住んでいる城のこと。

 即ち、ティナの城のことである。

 破壊のレギオンにとっては最大の拠点でもあるティナの城になら、ひょっとしたらフレディがいるかもしれない。

 僅かでもフレディがいる可能性のある場所なら、絶対に行って確かめておくべきだ。

 ヴァルナスはそう考え、地面を力強く蹴る。

 すると、その場から消え去るが如く、ヴァルナスは凄まじいスピードで移動を始めた。

 ティナの城までの距離は非常に遠く、決してすぐに辿り着けるような所にあるわけではない。

 だが、ヴァルナスはほんの数秒で辿り着いていた。

「当たりか、はずれか……」

 城門を前にして、小さく呟くヴァルナス。

 悪魔が来たことに気づいた門番二人の内一人が、ヴァルナスのもとへ駆け寄る。

「何か用か?」

 一瞬、間が空いた後、ヴァルナスが口を開く。

「フレディの野郎を知らねえか?」

「なっ……!」

 ヴァルナスの言葉を聞いた途端、門番の表情が驚愕と憤怒に変わった。

「フレディ将軍に対して、そのような言葉遣いを……!」

「うるせえ。さっさと答えろ」

 ヴァルナスもまた、苛立ちを隠せずにいた。

「……フレディ将軍なら、玉座に座っておられるそうだ」

「――――ッ!?」

 今、何て言った……?

 フレディの野郎が、玉座に座っているだと……!?

 別にティナの席など、どうでもいいのだが。

 しかし、玉座に座るということは、王に対する反抗と言えるのだ。

「面白ェことしやがる……」

 クックッと笑いながら、ヴァルナスは城門を押し開けて、城内へと入っていった。

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