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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百六十五話 デビルハンター

(…………何かが、おかしい)

 一人エレシスは心の中に、妙な違和感をいくつか抱えていた。

 それは己の必殺技を意図も簡単に消滅させたティナのことであり、今になって割り込んできたことでもある。

 そして、

(先が、見えない……)

 エレシスの能力、未来予知ノスルムが使えないことであった。

 エレシスは氷の奥義を習得しているため氷の力も扱えるのだが、天使本来の能力は未来を知ること。

 その力が、なぜか使えないのだ。

 理由はわからない。わかっていれば、今すぐにでも解決しようとしているだろう。このままにしておくことなどできるはずもないし、かといって原因がわからなければ軽はずみな行動はできない。

(一体、どうすれば…………)

 葛藤に悩まされているエレシスに気づくこともなく、

「キリエ、わたくしのお願いを聞いてくれるかしら?」

 ティナがキリエに問いかけていた。

「お願い……? 私に何をしてほしいって言うのよ」

「別に難しいことじゃないわ。とっても簡単なことなんだけど、その前に――」

 そう言いながらティナはゆっくりと視線をキリエから外し、三人の人間達を視界に捕らえる。

 科学側の能力者、コフィ達である。

「……なんだよ」

 僅かに警戒心を露にするコフィ。

 キリエもまた、ティナが言おうとしていることに嫌な予感を覚えていた。

 さらに今、未来が見えないエレシスでさえ、コフィやキリエと同じように感じていた。

 そしてその予感は、的中する。

「その前に、あなた達三人には死んでもらわないとね」

 冷たく、言い放たれた言葉。

 それは、人間であるコフィ達の死を意味していた。

 ティナがゆっくりと、手にしている大鎌を振り上げながらコフィ達に向かって歩み寄る。

「ク……」

 その時、

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 甚だしく、高らかに笑うコフィの声が響き渡った。

「この俺達を殺すつもりか!? いや、殺せるつもりでいるのか!? 笑わせんな! 誰に向かって言ってんのか、わかってんのか、あぁ!?」

 己の胸に親指を突き立てて、傲岸不遜なコフィがある秘密を明かす。

「俺達は、数多の能力者を従えている第二位の能力者、トルス様によって選ばれたデビルハンターなんだよ!」

 雷龍であるトルス・Dに選ばれた者達だということを――。

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