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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百六十三話 青光

「てめえ……、まだ生きてやがったのか……」

 ルークは、先ほどの爆発によって負傷しているヴァルナスを睨めつけていた。

 その瞳に潜むのは、憤怒。

 仲間を殺した奴がまだ死んでいないのならば、仇を討つしか考えられない。

 それが、死んでいった仲間に対する唯一の救いと信じて。

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 全力で、ルークがヴァルナスに挑む。

 そんなルークに対して、ヴァルナスは面倒臭そうに視線を向ける。

「あぁ!?」

 そして。

「邪魔だ、消えろ」

 ルークはヴァルナスに顔を掴まれ、そのまま地に押し潰された。

 一撃だった。

 ほんの一瞬で、勝敗が決したのだ。

 力量差がありすぎて、闘いにすらなっていない。まるで人間がアリを踏み潰すかの如く、ヴァルナスはルークを潰したのだ。

 あまりに残酷で、非情で、どうしようもない現実。

「ヴァルナス……ッ!」

 酷すぎるその現実に、キリエは凄まじい憤りを感じていた。

 なぜ、何の躊躇もなしに命を奪える?

 なぜ、こんなにも楽しそうに笑える?

 ヴァルナスの考えていること、思っていること全てが理解できない。

 自らの意志で戦の渦中に足を踏み入れ、己の死と隣接することすら楽しんでいる。

 ヴァルナスにとって命を賭した闘いとは、趣味でしかないというのか。

 もしそうだというのならば、

「ここで、止めなくちゃ……!」

 どんな手段を用いてでも、ヴァルナスを倒さなくてはならない。

「エレシス!!」

 唐突に、キリエが彼の名を叫んだ。

 いつもとは違うキリエの雰囲気に、エレシスは動揺しながらも真剣に尋ねる。

「……何ですか?」

「あの技で、相対する能力者同士の勝負をしてみない?」

「あの技、ですか……」

 その時、エレシスの翼が青白く輝き出した。

「また爆発させてしまうかもしれませんが、ひょっとしたら……」

 続いて、エレシスの右手も青白く輝き出す。翼の方の輝きとは比べ物にならないくらい、眩しい輝き――。

「試してみる価値はありますね」

 エレシスの大技であり、十二奥義の一つでもある氷龍砲グランス・グリッド

 絶大なる氷の力が、放たれようとしていたのだった――。

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