表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
164/229

第百六十一話 絆

「まったく……」

 キリエが安堵の息を吐きながら、少し呆れたように呟いていた。

「何が『助けに来ましたよ』よ。格好つけちゃって……」

 しかし、呆れているようでありながら、嬉しそうでもあった。

 自分のことを心から心配してくれる仲間がいる。それだけで、とても幸せな気分になれるのだ。

 己の命を仲間のためだけに賭ける、その優しさ。

 そんな仲間の心に、キリエは胸が熱くなるのを感じていたのだ。

 これが、今のアンゲルス。

 新たに悪魔や人間が入っていても、絆の強さはどんな組織にも劣らない。

 キリエは、そう信じている。

 そしてその絆は、悪を必ず打ち負かすとも信じているのだ。

 ヴァルナスも大剣を背負う男もティナも、全員倒してアンゲルスの皆で生き残る。それが可能だと、信じているのだ。

「エレシス、ガルメラ、ジェネス、いくわよ。残りの二人も倒して、この闘いをさっさと終わらせるの」

 力強いキリエの言葉。

 名を呼ばれた三人は、呼ばれた順番に返答する。

「それが一番ですね」

「ああ!」

「わかった」

 直後、キリエ達四人で二人の悪魔に襲いかかろうとした時。

「待ってくれ」

 赤髪の男――ルークの声が遮った。

「俺に、やらせてくれないか?」

 ルークのその瞳には、紛れもない怒りが宿っていた。

「仇を……討ちたいんだ」

「仇…………」

 すぐにキリエは悟った。

 ルークの仲間である金髪の男が、既にこの世を去っていることを。

 死に追いやったのはヴァルナスだが、おそらくヴァルナスとはもう闘えない。そう考えて、ルークはヴァルナスの仲間に憎悪の念をぶつけようとしているのだ。

「……まあいい。勝手にやらせてもらう」

 ルークはそう言い残し、ティナ達を睨めつける。

 一歩、また一歩と、ティナ達の死のカウントダウンを刻むかのように、歩を進めるルーク。

 その時、大剣を背負う男が何かを独り言のように呟く。

「……手を出すな、か。奴らしいな」

 苦笑を浮かべる男。その直後だった。

 突然、広範囲を巻き込む大爆発が生じたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ