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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百四十五話 ランツァの忠告

「ッつ~……」

 痛恨の表情を浮かべるレリア。ボールが当たった箇所なのだろう、左腕を押さえながらゆっくりと歩き出す。

 外野へと。

 そんな彼女を見て、ランツァが声をかける。

「大丈夫か? 別に休んでてもいいんだからな」

「平気よ。ちょっと妨害されたけど、補助能力ネセオスでボールの威力を多少は抑えられたからね」

 振り返ってそう言ったレリアの表情は、確かに無理をしているようには見えなかった。

「そうか」

 少し安心したランツァは、ほっと溜息をつく。そして、床上に落ちているボールを拾い、レリアをアウトにさせた赤髪の男を睨めつける。

 ――刃の如く、鋭い視線を向ける。

「一つ忠告しておく。俺は、仲間を傷つける奴は絶対に許さない。たとえ、試合の最中だろうが何だろうが……」

「……何が言いたい?」

 赤髪の男は一切怯まずに、コートの中央で堂々と尋ねた。

 呆れたと言わんばかりの表情を浮かべるランツァは、声を低くして応える。

「さっきみたいに、調子に乗るなって言ってんだ」

「…………」

 そんなランツァを見て、赤髪の男が暫し沈黙した。

 だが、それはすぐに苦笑へと変化し、やがて大きな笑い声を上げていた。

「調子に乗るな? 俺は真面目にスポーツを楽しんでいるだけだ。それのどこが調子に乗っているって言うんだよ?」

「お前がどう思おうが関係ない。俺の仲間を傷つければ、ただでは済まないって警告してんだよ」

 そう返答したランツァの黒い瞳は、既に怒りの炎で煮えたぎっていた。

 赤髪の男は、どこか面倒くさそうに溜息をつく。

「ただでは済まない、か……。俺からも、一つ言わせてもらおうか」

 ほんの少しだけ、赤髪の男は間をおいて続ける。

「この決勝戦、あんたらに勝ち目はない」

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