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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百四十四話 横槍

「ナイス、レリア」

 ランツァが親指を立てて言った。

 その彼に、レリアは笑顔で応える。

「ありがと」

 ランツァとレリアの見事なチームプレイで、相手チームは残り四名。外野には金髪の男がいる。

 そして、ボールは相手チームの一人、赤髪の男の手中にある。

 その男がボールを人差し指の上で回転させながら、コートの中央へゆっくりと歩み寄ってくる。

「いやあ、中々手痛い反撃だったな。正直、この俺でも対処できるかどうか……」

 そんな事を呟く割には、彼の表情は楽しそうに見える。まるで、強敵に出遭う事を望み、それが叶ったかのように。

「お返しに、俺の全力を見せてやるよ」

 赤髪の男がボールを右手で握りしめ、一度深呼吸をする。

人体強化バーストウィレス

「なッ……!?」

 ランツァはその言葉を知っているが故に、息を呑んだ。

 そう、ウィリアムと同じ……。

「まさか……俺と同じ強化型の能力を……?」

 ウィリアムの言葉に対して、赤髪の男は不敵な笑みを浮かべる。

 そして、コートの中央にいる赤髪の男が、遂にボールを放った。

 狙われたのは――レリア。

「敵討ちするっていうの!?」

 即座に、レリアは補助能力ネセオスをボールのベクトルに使用する。

 マイナスの力を、ボールのベクトルに与えるために。

 即ち、減速。

 そうする事で、レリアはボールを確実に受け止めようとしたのだ。

 だが、

「そうはさせない」

 途中で邪魔が入った。

 相手チームの内野――黒髪の男が、横槍を入れてきたのだ。

「…………!?」

 何をされたのかはわからない。黒髪の男は指先一つ動かしていない。しかし、不思議な事に、レリアは何一つ行動できなくなっていた。

 何一つ――。

「レリアッ!」

 ウィリアムが急いで助けようと手を伸ばすが、間に合わない。

 ――ボールを、止められない。

 誰にも邪魔されなくなったボールは、勢い良くレリアに襲いかかった。

 そして、ボールが床上に落ちた。

 容赦なく、レリアにアウトを宣告するのだった。

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