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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百四十二話 ランツァVS金髪の男

「……まあいい。隙だらけだって事がわからねえなら、直接その身に教えてやる」

 金髪の男が呆れたような表情を浮かべ、溜息までついていた。

 ランツァは思う。彼の口調や態度から察するに、その言葉は本気で言ったのだろう、と――。

「……やってみろよ」

 危険は承知している。だが、それでもランツァは退かなかった。

 彼の実力に興味があったからなのかもしれない。あるいは己の実力を、もっと知りたかったからなのかもしれない。

 翼なき、今の実力を――。

「ランツァ……」

 不意に、背後からキリエの不安そうな声が聞こえた。

 ボールを持っている金髪の男を警戒しながら、視線をキリエに向けるランツァ。

「大丈夫さ。あいつのボール、絶対止めてみせるからよ」

 直後、目にも留まらぬ速さで、金髪の男がボールを投擲。

 狙いはもちろんランツァだった。

 両足を肩幅程度に広げ、力強く踏ん張るランツァ。

 ボールがランツァの体に衝突した瞬間、全身を揺さぶられる。

 嫌悪感に襲われながらも、ランツァはボールを逃さないよう、必死に両腕で包み込んでいた。

 そのおかげで、漸くボールの勢いが消滅する。

 その光景を見て、金髪の男は息を呑む。

「俺の、ボールを、止めただと……!?」

 途切れ途切れのその言葉は、僅かに震えていた。

 彼の心中は、絶対的な自信から驚愕と恐怖へ変貌を遂げていたのだ。

「確かに、隙だらけだったはずなのに……」

「うるせえよ。お前が見誤っただけだろ? 現に、こうして俺はお前のボールを止めたんだからな」

 ランツァはそう言いながら、ボールを持つ右手を振りかぶる。

「さて、反撃開始といこうか」

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