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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百四十話 幕を開ける決勝戦

「両チーム、中央へ」

 審判は試合を開始させるために、彼らをコートの中央へ集めていた。

「それではこれより、決勝戦を行ないます。気をつけ、礼!」

 向かい合う両チーム全員が、揃って礼をする。

 ランツァは顔を上げ、金髪の男を睨めつける。

「絶対に勝つ!」

「ふん、やれるもんならやってみろ」

 金髪の男もランツァに劣らないくらい鋭い視線で睨めつけていた。

「あまり挑発するなよ」

 コフィは呆れたような表情で、金髪の男が挑発するのを止めさせる。

 少しおとなしくなった金髪の男が、声を低くして言う。

「最初のボールは、俺が取るからな」

「……好きにしろ」

 コフィのその言葉を聞いた瞬間、金髪の男はにやりと笑みを浮かべていた。

 その笑みは、ランツァチームの者達に妙な寒気を感じさせた。

 しかし、誰一人臆する者はいなかった。

 金髪の男が天使や悪魔、科学側の能力者のいずれでもないという保証はない。強者ではないとは言い切れない。それでも、彼らは臆さなかったのだ。

 己と仲間を信じて――。

「では、両チーム一人ずつ、中央へ」

 審判がそう言うが早いか、金髪の男がセンタージャンプサークルへと足を踏み入れる。

 対するランツァチームからは……

「俺に任せろ」

 リーダーのランツァが、金髪の男との勝負に挑む。

 ランツァがセンタージャンプサークル内に入ると同時に、金髪の男が彼に話しかける。

「悪いな。先手は俺達がもらうぜ」

「……相当自信があるみたいだな。だが、簡単に先手をやるつもりはないからな」

 苦笑を浮かべながら、そう言ったランツァ。

 そして、審判がボールを高く上方へ投げながら、よく響く声で言い放つ。

「決勝戦――始めッ!!」

 八高対抗戦、フェルムボール。その決勝戦が、遂に幕を開けた。

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