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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百三十七話 最も劣る者

「さて……。どうするよ、皆?」

 ボールを持つランツァが、味方四人にそう問いかけた。

「強いってわかってんだから、手加減なしでさっさと決着をつけようぜ」

 と、提案するウィリアム。

「……それしかないわね。下手に手を抜けば、けがをしてしまう事にも繋がるしね……」

 ウィリアムに賛同するキリエ。

「それじゃあ……やるか」

 ランツァがそう言うと、彼の全身から力が溢れ出した。ただし、翼の力までは使わない。そんな事をすれば周りに正体を知られて、大変な事になるのは言うまでもないだろう。

「来るぞ! 気をつけろ!」

 相手チームの内野の一人が叫び、警戒を促す。

 だが――

「無駄だぜ」

 警戒したところで、ランツァのボールを受け止める、または回避するのは至難の技だ。天使や悪魔ではなく、人間なら尚更だろう。

 結果、ボールは凄まじい速度で、警戒を促した者の腹部に命中する。さらに、ボールは止まる事なく、もう一人アウトにして床に落ちた。

 ――ダブルアウトだ!

「よし!」

 まさか、一度に二人もアウトにできるとは……。

 ランツァはそう思いながら、ガッツポーズをしていた。

「ナイス」

 親指を立てて、苦笑を浮かべるウィリアム。

 これで、相手チームは残り一名だけ――。

 対するランツァ達は、まだ一人もアウトになっていない。

 誰もがランツァチームの勝利だと思った、その時だった。

 ランツァのよりも遥かに速いボールが、レリアに襲いかかったのだった。

 レリアは強制的に外野まで後退させられ、審判の笛が鳴る。

「先程と同じです。外野へ」

「…………」

 絶句するレリア。

 同時に、ギャラリー含め周囲が静まる。

 そんな中で、ただ一人だけ言葉を発する者がいた。

「まだ勝負は終わってねえぞ」

 それは、相手チームの残り一名。他の四人と比べれば、最も筋肉が少なく、身長も百七十センチメートル程。

 どこからどう見ても、他の者達よりも劣っているのに……。

 レリアをアウトにさせたのだ――。

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