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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百三十六話 怒りのキリエ

「まったく……。ランツァ、あなた心配性なのね……」

「キリエ……?」

 キリエに襲いかかったはずの、回避不可能のボール。キリエがアウトになってしまうのは、避けられない運命だと思っていた。

 だが、実際は違った。

 キリエは、アウトになっていなかったのだ。

「でも、大丈夫。避けられないのなら、受け止めればいいだけの話」

 そう、キリエはボールを受け止めたのだ。

 外野からの不意打ちとも言える、あのボールを――。

「ちッ」

 思惑通りにいかず、派手に舌打ちをした赤髪の男。

「さてっと……。ちょっとだけ、本気で反撃しましょ」

 そうキリエが言った直後、目にも止まらぬ速さでボールが放たれた。

「――ッ!!」

 赤髪の男が、狙われた事に気付いて息を呑んだ。

 彼は、キリエの逆鱗に触れてしまったのだ。

あのような罠に陥れ、ボールを当てようとしたのだ。その上、ランツァに一瞬とはいえ、心配をかけさせたのだ。キリエが怒って当然なのかもしれない。

 咄嗟に、どう対処すべきか思考する赤髪の男。

 しかし、避ける事も受け止める事もできない。それを、赤髪の男は悟る。

「く……ッ!」

 かといって、ただ何もせずアウトになるわけにはいかない。

 赤髪の男は、再び己の体と両腕でボールを包み込む。

 決して、ボールを取りこぼさないように。

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 凄まじい勢いをもつボールが、雄叫びを上げる赤髪の男を強引に動かす。

 徐々に後退していき、後ろのコートラインが迫ってくる。

 そして――

「クソッ…………」

 コート外に脚を踏み入れてしまった。

 審判が笛を鳴らす。

「ボールを受け止める際、外野に出てしまった場合はアウトです」

 痛恨の表情を浮かべて、外野へ移動する赤髪の男。

「尚、ボールはランツァチームのものとなります」

 審判からボールを受け取るランツァ。

 相手チーム、残り三名――。

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