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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百二十八話 鋼鉄の掟

「……復讐だと? そんな理由で、ヴェルーダに化けてたっていうのか?」

 低く唸るような声で、トルスはそう尋ねた。

「そうさ……」

 肯定するアラン。

 その時、アランの視線がアグウィスに集中した。

 その事に気付き、アグウィスは悟る。

「なるほどな……。復讐の相手は、この俺、か……」

 かつてアグウィスは、罠に陥れようとしたアランを襲った事がある。その時、アグウィスは殺すと言いつつも、結局はアランをわざと殺さなかった。理由は、アグウィスが殺しを嫌っているからだ。

 そして、殺されなかったアランは、襲われた時の傷を心に刻み、アグウィスに復讐する事を決意していたのだった。

「つまり、ヴェルーダに変身していたのは、この俺を再び罠に陥れようとしていたからって事か……」

 直後、高らかなトルスの笑い声が轟いた。

「ってことはアグウィス、てめえの敵でもあり俺の敵でもあるそこの変身クソ野郎は、今ここで殺すべきだよなァ……」

 やはりこうなるか……。

 アランはアグウィスに己の正体を知られた時から、心の奥底で密かにある事を悟っていた。

 そう、己の死を――。

 復讐を果たせないのは嫌だが、こうなってしまった以上、もうどうしようもない。

 所詮、弱肉強食の世界では、弱者の願いは叶わないものなのだ。

 弱者の俺はここで彼らに喰われ、人生にピリオドを打つ。

 それが、この世界の掟。

 逆らいたくても、逆らえない鋼鉄の掟なのだ。

 アランは己の死を受け入れて、言い放つ。

「殺すなら殺せ……。あんたらみたいな化け物が相手なら、もう俺に勝ち目はないからさ」

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