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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百二十五話 底知れぬ雷龍

「最大戦力だと……? まるで、今まで本気じゃなかったみたいじゃねえか……」

 アグウィスが苦笑しながら言った。

「まあ、流石にアレは危険だからな……。下手をすれば、この街を消しかねないくらいだからな」

 トルスの目は本気だった。

 この街を消しかねないほど危険だというのは、決して嘘ではない。そう、彼の目が告げていたのだ。

「……面白い。見せてみろよ、その力を」

 アグウィスはそれを悟っているにも拘わらず、トルスを挑発していた。

 絶対に勝てる自信があるからなのだろうか。

 トルスはその挑発に乗って、叫ぶように言い放つ。

「この俺を怒らせた事を、悔いるがいい、アグウィス!!」

 トルスの背中にある黄金の翼が大きく羽ばたき、暴風が発生する。

 その時、アグウィスはある異常な出来事に愕然とする。

「何だ……そりゃあ……!?」

 トルスの力が、爆発的に膨れ上がっているのだ。

 それは留まる事を知らずに上昇し続ける。流出した力の奔流が、アグウィスを驚愕させる。

「……流石は第二位……。それなりに化物って事か……」

 しかし、アグウィスの表情にはまだ余裕がある。彼も、トルスと同様に何かを隠し持っているのだろうか。

 それが、第三形態サードモードなのだろうか――。

「アグウィス、この程度で驚いてもらっちゃあ困るな……」

 トルスが口の端を歪めて、唐突に恐ろしい事を言い放つ。

「俺の実力は、まだまだこんなもんじゃねえぞ」

 トルスの力は、留まる事なく上昇していく。

 ――――そのはずだった。

「やめろ、トルス」

 何者かが急にトルスの背後に現れ、彼の肩を掴んで言った。

 トルスは驚愕とも恐怖とも言える表情を浮かべていた。やがて、雷や力が徐々に静まっていく。翼や鱗が少しずつ透明化し、元の人間の姿へと戻っていく。

 トルスは振り返り、背後にいる者の名を呟く。

「ヴェルーダ…………」

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