表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
125/229

第百二十二話 雷龍拳

 先に動いたのは、アグウィスだった。

 疾風迅雷の進撃。

 アグウィスは一方的に、何度も拳を繰り出す。その残像で、腕が数えきれないくらい増えたように見える。

 だが、

「これが、最強の実力か?」

 トルスはそれを最小限の動きで、全て回避していた。

 ただの一つも、トルスには命中していなかったのだ。

 トルスは呆れた表情を浮かべ、わざとらしく溜息までついて言う。

「興ざめだ」

 トルスの右拳が、雷を帯びて黄金の輝きを増す。

雷龍拳パルストロン

 その右拳が、アグウィスの腹に的中する。同時に、雷による爆発的な衝撃がアグウィスを襲った。

 吹き飛ばされたアグウィス。

 しかし、流石は最強の悪魔。アグウィスはすぐに空中で停止し、体勢を立て直していた。

「流石だな……」

 血を吐くアグウィス。

 その様子から察するに、多少はダメージを負っているはず……。だが、彼の表情に浮かんでいたのは、余裕の笑み、ただそれだけだった。

「これが最強の実力? 興ざめ? 確かに、今の俺はお前の敵じゃねえかもしれねえ。だがな、俺はまだ全然本気じゃねえし、翼の力も開放してねえんだぞ。この意味がわかるよな?」

 そう。アグウィスはまだ、実力をほとんど出していないのだ。特に翼の力は絶大だ。それを開放していないという事は、今のアグウィスは全く本気ではないという事を意味しているのだ。

「……つまらねえ事してねえで、さっさと本気でかかって来い。死にたいなら話は別だがな」

「まあそう焦るな。お前の力量を、じっくり測りたかっただけなんだからよ。だがまあ、今の拳だけで全部わかってしまったけどな」

「……ほう?」

 見下すようなその態度にトルスは怒りを抑えようとしてはいたが、アグウィスを睨むその目には、ありありと憤怒と書かれていた。

「先に言っておく。万に一つも、お前は俺に勝てねえ」

 直後、トルスがアグウィスの眼前まで超高速で移動し、雷を纏う拳を顔面目掛けて放とうとする。

 その時、アグウィスが妙な言葉を呟く。

第二形態セカンドモード

 バチバチという弾けるような音と共に、アグウィスの身体が青白く輝く――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ