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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百十九話 ヴェルーダ・レイン

「ふうん……、彼が、ね……。一体何のために、あの場所で暴れているのかな……」

 あまり広くない室内に、直径三メートル程の円形のテーブルがある。その上に脚を乗せ、椅子に背を預けながら、淡々と呟く男がいた。

 彼の名は、ヴェルーダ・レイン。銀髪で、瞳は金色に輝いている。年齢はおそらく三十代だろうが、かなりのイケメンだ。

 そして、彼の左右にテーブルを囲んで座っている、男が一人と少女が一人。

 ヴェルーダから見て右に座っている少女の名は、リネア。細胞操作セルパペットという能力をもつ悪魔、ケッラを倒した少女だ。

 左に座っている男の名は、シエンス。髪の色は紫で、縁の色がピンクの眼鏡をかけている。瞳は赤く、年齢は二十歳前後といったところか。

 まるで、会議でもしているかのような雰囲気だ。――いや、本当に会議をしているのか?

 ヴェルーダが呟いてから、暫く沈黙が続いていた。その沈黙を、シエンスが破る。

「奴が他の悪魔のために闘う事など決してありません。したがって、ブラックは無関係と見て間違いないでしょう」

「……なら、お前は何が理由だと思う?」

「理由はわかりませんが、おそらく、ソールの件に関係あるかと……」

 シエンスのその言葉に、ヴェルーダは少し考え込む。

 やがて、ヴェルーダが指を鳴らして言う。

「やっぱり、直接聞くのが一番じゃないかな……?」

 それを聞いて、思わず笑いを吹き出していたのはリネアだった。

「本当にヴェルーダは面白い事を言うよね。しかも、大真面目にさ」

「そんなに面白いのか? 奴とは知り合いだし、奴の性格上、聞いたら攻撃してくるなんて事もないだろうし……。妥当だとは思うんだけどなあ……」

「確かに、妥当かもしれませんね」

 シエンスが無表情で言った。

「でもさ、あの蛇が奴の所に行ってるんでしょ?」

 リネアが笑うのをやめて、真剣な表情でヴェルーダに問いかけた。

「ああ。蛇じゃなくて、龍だけどな……」

「どっちでもいいでしょ。どっちも鱗があるし」

「そういう問題か……」

 ヴェルーダが苦笑する。

「確かに、あの者が奴の所へ行っていますが、このままでは奴に殺されるかもしれませんよ」

 シエンスが厳しい表情をして言うと同時に、周囲の空気が重くなっていた。

「仕方ない……。血の気が多い部下とはいえ、死ぬかもしれないのを黙って見ているわけにもいかないからな……」

 ヴェルーダは軽く深呼吸をして、二人に言い放った。

「行くぞ、最強の悪魔と話をしに!」

 直後、リネアがまた笑っていた。

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