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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百十五話 チーム決定!

「さて、それぞれの競技のチームを決めるぞ」

 休憩時間が終わり、担任がクラス全員にチーム決めを促していた。

「ではクラス代表、前に来てチーム決めをしてくれ」

 担任はそう言うと、教室の隅へと移動した。

 同時に、クラス代表の男女二人が教壇の上に立つ。

「それじゃあ、まずはサッカーから。出場したい人は挙手して」

 何人かが手を挙げる。そして、それを代表が数える。人数不足なら挙手した者は出場決定で、オーバーなら一先ず保留。後で、くじなどで決めるといった方法でチームを決めていく。

 いくつかの競技名が言われたところで、遂にあの競技の名がランツァの耳に届けられる。

「そ、それじゃあ……フェルムボール」

 競技名を聞くが早いか、キリエは挙手した。

 それを見た者達は、予想通りの表情を浮かべていた。

 ――そう、恐怖の表情を。

 例外なのは、彼女の正体を知っているランツァ達――そして、ティナくらいだった。

 そんなティナに気付いたランツァはふと思った。なぜ、ほとんど顔色を変えないのか、と。

 ……まさか、キリエの正体を知っているのか? いや、それはないだろう。もしティナが悪魔か天使なら、本能でその正体を知る事ができる。だから、ティナはそのどちらでもないと思う。なら、キリエの正体を知っている事はまずないだろう。ティナが科学側の者なら話は別だが。

 おそらくティナはまだ、フェルムボールの恐ろしさについてあまり理解できていないのだろうと、ランツァは考える事にした。

 そして、キリエの後に続くように、ウィリアムが手をゆっくりと挙げた。

「俺も出る」

 凝結した思いを悟らせるその言葉は、周囲の者達を驚愕させた。

 仕方ねえ……。返答する暇もなく休憩時間が終わったけど、誘われたし、出るとするか。

「俺も」

 ランツァも挙手し、フェルムボールに出場する事を決めた。

「私も出るわ」

 同様に、レリアも挙手をした。

 あと一人……ティナはというと……。

「私も……出ます」

 手を挙げて、ティナはそう言った。

 その時だった。

 危険だとか、怪我するだけでは済まないだとか、彼女の身を案じるそういった言葉が、次々と発せられていた。特に、男子から。

 だが、ティナの意志が曲げられる事は決してなかった。

「大丈夫です。こう見えても私、結構自信あるんですよ」

 無駄だと判断したのか、フェルムボールに出場しようとするティナを止めようとする者はいなくなった。

「そ、それでは、フェルムボールは、ひ、一チーム五人なので、け、決定とします」

 震える声で、チームが決定した事を告げる代表。

 こうして、フェルムボールに出場するチームが決まった――。

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