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アンゲルス  作者: Leone
第三章 八高対抗戦
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第百十四話 Keep Out

『Keep Out』

 その言葉が刻まれているテープが、至る所に貼られている。

 それを見てアグウィスは立ち尽くし、溜息をついていた。

「仕事熱心にも程があるだろ……」

 悪魔の将軍が全力で闘ったのだ。それ故に、被害は絶大なもののはず。そんな場所を、ほんの数時間で立ち入り禁止にしてしまうとは……。

「こりゃあ、絶対に奴らが絡んでいるな」

 奴ら――それは、科学側の猛者達の事だ。

「まあ、用があるのは奴らなんだけどな……。別に、あいつが死んだ場所に興味があるわけじゃねえから、逆に絡んでいなかったら、ここまで来たのが無駄になっちまうしな」

 アグウィスは独り言を呟き、テープを握って引きちぎった。

 彼は何の躊躇いもなく、立ち入り禁止の場所に足を踏み入れた。

 ――その時だった。

「困りますね、そんな事をされては……。ここは立ち入り禁止ですよ?」

 背後から声がした。

 アグウィスは振り返り、声の主である、黒のスーツに同色のサングラスをかけている男に問いかける。

「いつから俺の背後にいた?」

「そんな事はどうでもいいでしょう。速やかにここから立ち去りなさい」

 しかし、男にはアグウィスの質問に応じる気など微塵もなかった。

「断る、と言ったらどうするつもりだ?」

「力ずくで排除します」

 この俺を殺す、か……。笑わせる。

 アグウィスは堪え切れない苦笑を浮かべながら、男を見据える。

「その言葉、後悔するんじゃねえぞ!」

 直後、アグウィスの手刀が牙を剥いた――。

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