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革命軍

平暦218年 10月23日

ここは辺境の村、アークウィンド。

この村には今日、国から徴税官が送られてくる。


「今日か…徴税官がやってくるのは…」


村長が1人呟いた。


村に住んでいる人々は暗い目をしている。


だが、その中に1人明るい目をしている少年がいた。


「きっと革命軍が助けに来てくれるよ!!」


少年が叫んでも誰も聞いていない。

みんな、未来を諦めたような顔をして唯々徴税官を待っている。


「革命軍の人達がきっと徴税官を倒してくれるよ!!」


少年は村の人たちに語り続けた。


「うるせえぞ!!ガキ!!」


村の男の人が叫んだ。


「こんな村に助けに来るわけないだろ!!いい加減現実を見やがれ!!」


少年の目には涙が浮かび、自分の家に走って帰っていく。


「来たぞ!」


村の誰かが叫んだ。


徴税官は黒いマントを羽織り、黒い帽子をかぶっていた。


「俺は国から送られてきた徴税官だ。これから村長から順に税を納めてもらう。」


村の人々は何も言わず次々と徴税官に税を納めた。




回収が終わり、徴税官が村を出ようとしたころ1人の少年が徴税官の前に立ち、道を塞いだ。


「僕は革命軍団長”リュカス・ヴェイン”だ!!」


少年は両手を広げ泣きそうな目をしながらも勇敢に徴税官に抗った。


「革命軍?あぁ、英雄気取りの集団のことかい?」


徴税官は小馬鹿にしているような表情で少年を見つめる。


「英雄気取りじゃない!!英雄だ!!」


少年は涙を流しながら徴税官に歯向かう。


「革命軍は英雄なんかじゃない。ただの夢を見ている浮浪者集団だ。」


「違う!!」


少年は泣きながらも勇敢に立ち向かった。


少年が徴税官にパンチを当てると徴税官は笑い始めた。


「本物の英雄は誰だか教えてやるよ。」


徴税官は拳を振り上げた。


村の人達は少年を助けようとはしなかった。

みな1人の少年よりこの村の安全を願ったのだ。


徴税官が拳を振り下ろす瞬間。誰かが徴税官の腕をつかんだ。


「俺らの団長に手を出すなよ。」


徴税官は驚いた顔をして話した。


「お…お前は…革命軍隊長”ルカディア・オルガ”!!なぜここにいる!?」


ルカディアは徴税官の驚いた顔を見るとその顔を睨みつけた。


「お前に言う必要はない。」


ルカディアは徴税官の腕を離すと脅すように話した。


「これからこの村アークウィンドは革命軍の統治下に置かせてもらう。お前らは手出しするな。」


ルカディアがそう言うと徴税官は走って逃げていった。


「大丈夫か団長。」


少年に優しく頭を撫でながら聞いた。


「うん…大丈夫!!」


少年は涙を拭きとりルカディアにお礼を言った。


「ありがとう!!」


そう言うと自分の家に帰っていった。


ルカディアは村の人々に説明した。


「この村はこれから革命軍第1部隊が護ります。これから何人かの革命軍がこの村にやってきます。できれば住む場所と食事を用意してくれたら幸いです。それでは私はこれで。」


村の人が呼び止めた。


「なんでこの村なんかを…」


ルカディアは答えた。


「誰1人見捨てはしません。革命軍の誇りにかけて。」


そういってルカディアは村を出た。




ルカディアはある1人の少女を探していた。

人々を護るため。

その少女の名前はオーレリア。

約3年前ダスクヒルを救った英雄だ。


だがその少女を知っているのはダスクヒルの人達と革命軍団長リュカス・ヴェインとこのルカディア・オルガだけだ。


オーレリア…どこにいるんだ?


辺りは暗くなり、風の音しか聞こえなくなった頃、丘の上に孤立した家が1つだけ建っていた。


あの家に泊めてもらえないだろうか。


ルカディアはそう思い家のドアをノックした。


「ごめんください。」


少し間が開いたのちドアが開いた。


「どうしましたか?」


「あの、今日この家に泊めてもらえないかと思いまして。」


家の住民は少し暗い顔をして答えた。


「ごめんなさい…誰も家には入れたくないの…」


「そうですか。こちらこそごめんなさい。突然来てしまって。」


ルカディアは頭を下げた。


その瞬間家の中から声が聞こえた。


「ルカディア…さん?」


ルカディアはすぐに頭を上げた。


すると家の中から1人の少女が出てきた。


「リア、この人知ってるの?」


家の住人は少女のことを心配そうに見つめている。


「ルカディアさん…だよね…」


もしかして…


ルカディアはついに見つけた。

1年間探し回りついに見つけた。

この少女こそが。


「オーレリア!!」


喜びのあまり大きな声を出してしまった。


オーレリアは身長は伸びたがあまりご飯を食べていないのか少し瘦せている。


「どうして…ルカディアさんが…ここにいるの?」


オーレリアは所々声が止まり聞き取りづらい。


「君を探していたんだよ!!」




3人でテーブルを囲みご飯を食べている。


「なんでオーレリアを探しに来たんですか?」


ルカディアは真剣な眼差しでオーレリアを見つめる。


「オーレリアには革命軍に入ってほしい。」


ルカディアが言った瞬間オーレリアは涙を浮かべる。


「もう…戦…いたくない…」


オーレリアの言葉を聞いたルカディアはこれ以上この話をすることはなかった。

第2部?の始まりです。

これからもよろしくお願いします。

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