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お題シリーズ5

けんか 前世

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/09/16



 私は面倒を見ている子供の二人を見て、ため息をつく。


「なんだと!」


「こいつ!」


 その子達は、今にも殴り掛からんばかりの勢いで睨み合っていた。


 けんかけんかけんか!


 毎日けんかばっかり!


 あの子たちっていつもそう。


 殴り合って、傷をつくって、少しはこたえないのかしら。


 何度もやってるのに、飽きたりしないのかしら?







 うちの孤児院には、二人の個性的な子供がいる。


 一人は闇の魔法の才能がある黒髪の男の子。


 もう一人は光の魔法の才能がある、白髪の男の子。


 二人は何かにつけてけんかばっかり。


 おやつの取り合いとか、おかずの取り合いとか。


 大部屋で雑魚寝する時だって、布団やまくらを取り合ってる。


 ちゃんと一人分わたしてるのに、どうしてそんなにけんかばっかりするのかしら。


 相手の目がきにいらないとか、態度が気に入らないとか言ってるから、相性の問題なのかしら。


 難しいのよね、そういうのって。


 子供だから、無理に相手を好きになれ、許せって言っても通じないし。


 ああ、またけんかしてる。


 相性のせいだったら、こればっかりはどうしようもないわ。


 できるだけ目を離さないようにするしかないかしら。


「こらー。お昼寝してる他の子供達が起きちゃうでしょ! 静かになさい!」






 俺は勇者だ、魔王といつも不毛な争いをしている。


「勇者、我に飯をよこせ!」

「いやだね魔王。飢え死にでもなんでもしてろよ!」


「勇者、貴様の布団をはいで風をひかせてやる!」

「やめろ! 俺は冷え性なんだぞ」


「ぜえぜえ、なぜ俺たちは同じ場所に転生してしまったのだ!」

「はあはあ、お前なんか力が戻ればすぐにやっつけてやるのに!」


 魔王との戦いで、同時に力尽きた俺達は転生した。


 のだが、なぜか同じ場所に生まれ変わってしまったのだ。

 おかげで毎日大変だ。


 はやく力が戻れば、すぐにこの忌々しい魔王を木っ端みじんにしてやれるのに。



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