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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 68

 ヤヤちゃんがお饅頭と姫様を交互に見てたじろぐ。理由は分からない。だけど、温泉饅頭がミスチョイスだったことは理解した。かろうじて状況を察した私は亜音速の足さばきでヤヤちゃんの抹茶味の温泉饅頭を温泉プリンに差し替える。

 温泉饅頭は緑茶抹茶が大好きなペーシェさんにパス!

 素早く元の場所に戻ってなにごともなかったかのように笑顔を作った。


 しかし、人間の動きには限界というものがある。私の不審な挙動を姫様はばっちりと目撃した。どうしてお饅頭をプリンに替えたのだろう。そんなきょとん顔をして小首をかしげる。

 私はプリンを見て大歓喜、の演技をした。


「わぁ~♪ おいしそうな温泉プリンだね。ひとつもらっていい?」

「も、もちろんです。みんなで一緒に食べましょう。温泉に入りながら食べるプリンはまた格別ですよ!」


 とにかくなにかをごまかそうとする感がすごい我々を見た姫様がとんでもないことを言い出す。

「わたくしは抹茶味のお饅頭が食べてみたいです♪」

「ああーーーーダメだちくしょうッ! ソフィア、もう私から言うぞ!」


 我慢の限界を迎えたシェリーさんの怒号に、ソフィアさんは小さく頷いてプリンを食べる。

 怒号を発したものの、大きな声でことの詳細を言えないシェリーさんは姫様の耳元で小さく囁く。

 こそこそこそこそ。にゃんにゃんにゃんにゃん。ぼそぼそぼそぼそ。


「――――――え? わたくしがそんなことをするはずがないじゃないですか」


 完全に忘却の彼方。

 呆気にとられる我々の前に、ソフィアさんに助け船が現れる。


「みなさん、こんばんは。今日もいい月夜ですね」


 セチアさんがご来臨。

 嘘を看破できるユニークスキルを持つ彼女であれば、ソフィアさんの言葉が本当だと証明できる。証明されてしまう。シェリーさんは微レ存でソフィアの言ったことがなにかの間違いでないかと思いたいと思った。

 仮にも相手は一国の姫様。そんな高貴な身分の人間が、他人に尻の穴の中のうーーーーーこをテレポートの魔法で処理させただなんて思いたくない。でも姫様のことだから、もしかすると本当にやってるかもしれない。

 全ての疑念を晴らし、真実を公にしなくてはならない!

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