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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 63

 酔いも回って羞恥心に苛まれる自分から目をそむけるため、インヴィディアさんは酔いに任せてデーシィさんのほっぺをもにもに。まんざらでもないデーシィさんはもにもにされることを楽しむ。

 インヴィディアさんがひとしきり納得したところでもにもにが終わった。

 ここですかさず料理をしゅばっ!


「簡単なものですが、食後のスイーツにフィナンシェとスーテーツァイをご用意しました。ぜひぜひ、ご賞味ください♪」

「わっ、ありがとう、すみれちゃん。これはミルクティーかしら?」

「こちらはスーテーツァイと呼ばれる塩入りミルクティーです。ほんのりと塩味がして、ほっこりうまうまなテイストです。メリアローザと交易のある北南の国で作られる甘味のある団茶を使いました。この団茶は本当にいいものなんです。私もたくさん買わせてもらいました。これは本当にいいものですっ!」


 緑茶を乳酸発酵させた団茶はグレンツェンでは手に入らない。メリアローザでも作ってない。まさに奇跡の出会いでした。

 私が淹れた紅茶を飲んだインヴィディアさんとデーシィさんが笑顔になる。


「おいしい! 味に深みがあって、ほんのり甘じょっぱい味がして、焦がしバターを使ったフィナンシェとよく合う♪」

「気に入っていただけたようでなによ、あ! ハーブティーとも合うと思いますよ!」

「ハーブティー? あ! そうね、ハーブティーとも合いそうね♪」


 インヴィディアさんの背後でハーブティーを構えるクラリスさんの圧が凄い!

 ハーブティーを持ち上げると、羅刹のような表情から女神のような笑顔に早変わり。クラリスさんはハーブティーをインヴィディアさんの前に差し出して一緒にフィナンシェを楽しむ。

 デーシィさんにもスーテーツァイを気に入ってもらえたみたい。満面の笑みで紅茶を飲み、焦がしバターを使ったフィナンシェをほおばる。

 喜んでもらえたみたいでなによりです。

 デーシィさんの隣にいたアルマちゃんもベレッタさんもご満悦。


「すみれさんの紅茶レベルが上がってます。レパートリーも増えてきて、毎日がわくわくでどきどきです♪」

「本当に、紅茶だけじゃなくてスイーツのレベルも上がってる。わたしもエルバルドマイスターのティーカップ講座を受けたい。いいなぁ。アルマちゃんはいっつもこんなにおいしい紅茶とスイーツが食べられるなんて」

「リッスン・トゥ・ミー! 憧れるっ!」

「はうふぅっ! ふぁふぉはれふっ!」


 次はベレッタさんのほっぺがもにもにされる。インヴィディアさんが嫉妬に対して脊髄反射的にほっぺを襲撃した。

 羨ましがるだけでほっぺをむにむにされる暴挙。ちょっともにもにされてみたい。

 と、いうわけで、わざと地雷を踏んでみよう。


「インヴィディアさんにほっぺをもにもにされて羨ましいなあ」

「すみれちゃん! リッスン・トゥ・ミー! 憧れる!」

「いえすっ! あこがれるぅっ!」


 インヴィディアさんのあったかい手が私のほっぺをもにもにする。

 ほんわかして、楽しくて、もにもにされて、なんだかとっても嬉しいな♪

 お母さんがいたら、娘はこんな気持ちになるのかな。

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