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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 62

 華恋さんのきらきら光線がアルマちゃんに注がれる。アルマちゃんは袖を組んで体を右に左に傾けた。悩みぬいた彼女の結論やいかに!


「確証はありませんが、インヴィディアさんとデーシィさんの協力があれば。あと、当然のようにディザさんに無茶振りを強いることになると思います」

「大丈夫! ディザさんは一流の職人だから!」

「そういう問題ではないと思うのですが……。キーマンは暁さんですね。あとで相談してみます。今はルクスさんにお酌されてでろんでろんなので」

「任せた!」


 アルマちゃんが華恋さんの無茶振りを了承した。これはもしや、達成したら達成したでさらなる無茶振りが飛んでくるやーつなのでは?

 他人事ながらに戦々恐々になる。華恋さんの無茶振りは容赦がなさすぎる。できることが前提で話しをするから、白羽の矢を立たされたほうは困ったものである。私も料理に関してならなんとかなるかもだけど、それ以外は自信がない。なので、ティアさんの話題がひと段落したところでデーシィさんに話しをもっていこう。

 今はちょうど、デーシィさんがインヴィディアさんに両のほっぺをもにもにされてるところだ。

 ――――――なんで?


「リッスン・トゥ・ミー! 憧れる!」

「あ……AKOGARERU…………」

「イエスッ! リピート・アフター・ミー! 憧れる!」

「AKOGARERU!」


 これはいったい、どういう状況なのだろうか……。

 ことの顛末はこうだ。嫉妬の悪魔であるインヴィディアさんが料理を楽しんでいたところ、楽しそうに話しをするティアさんを見ながら一人で料理を食べていたデーシィさんが爆弾呟きをした。

『羨ましい……』

 これを聞いたインヴィディアさんはデーシィさんに話しを聞き、彼女が嫉妬深いことを知る。過去の自分を見るようでいたたまれなくなったインヴィディアさんは、どうにかして彼女をポジティブ思考へ持っていくため、過去の自分をデーシィさんに重ねて贖罪をしようとしたため、彼女のほっぺをもにもにしながらポジティブワードを刷り込んでいたのだ。


「人間だって悪魔だって嫉妬しちゃうのは仕方ない。だけど嫉妬ばっかりしてると心も体もボロボロになっちゃう。だから言い方を変えましょう。憧れる。きらきらワードにして、相手を褒められるようになれば気持ちが華やかになるわ! 体験談だから間違いない。私の1000年を生きた経験の裏付けがあるから間違いないっ!」


 なんという説得力。長命の人の含蓄たるや半端ない。

 困惑するデーシィさんは呆然としてインヴィディアさんの言葉に頷く。


「憧れる。とっても素敵な言葉だと思います。ところで、1000年を生きた、というのは?」

「私は悪魔だから」

「悪魔…………。悪魔?」

「悪魔だろうが人間だろうが不死身だろうが関係ないの! 恨めしい妬ましいはダメ、絶対!」

「あ、はいっ!」

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