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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 49

 シェリーさんに取り押さえられた姫様を置き去りにしたソフィアさんは大好きなキキちゃんとヤヤちゃんのところへ向かい、一緒にご飯を食べようと誘う。当然、誘われなかったお姫様が大激怒。


「わたくしも一緒の卓につきますっ! ソフィアにはわたくしの侍女に戻ってもらわなくては困ります! わたくしの侍女はソフィア以外に考えられません!」

「私の代わりなんていくらでもいますよ」

「貴女の代わりなんて異世界を含めてもいないんですっ!」

「そうおっしゃってくださるのは嬉しいことです。でもせっかくなので考えさせてください。ルクスによると、メリアローザはとても住み心地のいいところだそうですから。それにフェアリーもいますし」

「フェアリーのことは勘定に入れないで。フェアリーを天秤にかけられたら太刀打ちできないから」

「姫様がそう言うということは、彼女たちはとても素晴らしい存在ということですね。楽しみだなー。夢にまで見たフェアリーとのティータイム。楽しみだなあー♪」

「いやあああああああっ! フェアリーとティータイムしたら移住したくなるに決まってる!」

「わくわく♪」

「わくわくしないでえーっ!」


 悶絶する姫様を心配する双子の手を引いたソフィアさんは双子を椅子に座らせて、ソフィアさんはキキちゃんたちに癒しを求める。


「キキちゃんとヤヤちゃんはグレンツェンでいろいろ学んでるんだよね。今はどんなことを学んでるの?」


 ソフィアさんに質問されたキキちゃんとヤヤちゃんは落胆する姫様を見て、ソフィアさんを見て、ほっといても大丈夫なのだろうかと不安になりつつも、日々の頑張りを知ってもらいたいから聞かれた質問に答える。


「グレンツェンに戻ったらすぐに資格取得の試験を受けるの。国際的に通用する国家資格なんだよっ!」

「国家資格!? すごい! どんな資格なの?」

「ふふんっ! それはね、ぴよぴよ検定だよ!」

「ぴよぴよ検定!?」


 驚いたソフィアさんと自信満々のキキちゃんの間にヤヤちゃんが割って入る。


「ぴよぴよ検定じゃなくて、ひよこ鑑定士の試験だよ。ひよこのオスメスを判別して仕分けするお仕事です。卵を作るメス、食肉になるオス。きちんと仕分けして出荷するために必要な、とっても大切なお仕事なのです。どやっ!」

「すごーい! とっても重要なお仕事なんだね。二人は将来、養鶏場で働くつもりなの?」

「ううん。まだ何も考えてない。でもギルドのお仕事のお手伝いがしたい!」

「私もです。少しでもギルドに、国に、暁さんに恩返しがしたいです。そのためにはいっぱい勉強して、いっぱいおいしいスイーツを食べます!」

「二人ともとっても立派だね。でもどうしてひよこ鑑定士の資格を取ろうと思ったの?」

「「かっこいいからっ!」」

「なるほど!」

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