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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 24

 楽しく演奏できたみんなは笑顔満開。元気いっぱい。ランチに戻ってお腹いっぱい。

 それにしてもみんな本当に演奏がうまい。ハティに教えてもらったのかな。クレアに聞いてみよう。


「クレア、シャングリラのみんなはハティに楽器を教えてもらったのか?」

「うん、そうだよ。ハティお姉ちゃんは教えるのが上手で、一緒に演奏しててすっごく楽しいの。私はヴァイオリンとー、ピアノとー、サックスとー、シンバルとー、フルートとー、トロンボーンとー、トランペットとー、カンテラとー、あ! 最近はツィンバロムが演奏できるようになったよ!」

「つ、つぃ、ん? なんていう楽器?」

「ツィンバロムって言うの。弦楽器みたいな打楽器でね、疾走感があってすっごく楽しいの♪」

「そんなに楽しい演奏ができるなら、ぜひとも聞かせてほしいなあ」

「もちろん、いいよ♪」


 そう言って、クレアはライブラから4本足で支えられた箱に入った琴のような楽器を取り出した。たしかに見た目は弦楽器のよう。どうやら両手の2本の棒で叩くらしい。

 タン――タタタンタタンタタタタタンタタタンタンタンタンタタタンタタッタンッタンッタンタンタンタン♪


 凄い。手元がめっちゃ早くて目で追えないくらい素早い。

 いつの間にかハティがクレアの演奏するツィンバロムのリズムに合わせてコントラバスを指でなぞる。ただでさえコントラバスは大きな楽器だというのに、ハティサイズの特注サイズのコントラバスは大黒柱に見える。柱を抱えているように見える。

 音質も大黒柱を思わせる重厚な音の壁を響かせた。クレアの軽快なリズムを支えるように、コントラバスの音の厚みが包み込む。

 息の合った二重奏に息を飲む。

 すっかり二人の演奏に魅入ってしまった。いつまでも聞いていたい。そう思わせるほどに。

 残念なことに演奏が終わってしまう。拍手とともに喝采を浴びるクレアの元にハティがかけよって高い高いをして褒めた。


「とっても上手になってる。さすがクレア。みんなも本当に素敵な演奏だった。みんなとなら、たくさんの人たちを幸せにできる。がんばろうっ!」

「「「「「おーっ!」」」」」


 ハティのひと声でさらにやる気が上がる。未来に希望を持って前へ進もうとする姿のなんと眩しいことか。あたしにできることならなんでもしてあげたい。メリアローザでも演奏をしてほしいっ!

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