表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
942/1075

異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 22

 絶句するシェリーさんは彼女の圧に圧され、今年のオータムフェスティバルに関わる花火の打ち上げを依頼した。

 これにて一件落着。安堵したあたしはフルーツティーをひと含みして溜息をもらす。


「いやー、よかったですね。このままハティの魔法の引き出しを開けまくりましょう。そこはあたしもよく知りません。アルマにも開けてもらいましょう」

「勢いのままオーケーしたが、花火を打ち上げる魔法ってあるのか?」

「え、そちらの世界ではポピュラーじゃないんですか?」

「いや、そんなものはない。ハティが使えるんじゃないか?」

「――――ま、なんとかなるでしょ。ハティ、フラワーフェスティバルで見た花火は覚えてるか?」

「覚えてる。夜空に花が咲いてきらきらだった。とっても綺麗だった!」

「あれを魔法で再現できるか?」

「できる」


 即答!

 なんて頼もしいのだろう。さすがハティだ。

 善は急げ。念のためにもうひとつ聞いておこう。


「今、魔法で再現できるか?」

「わかった」


 即答ッ!

 即答して即、大海原に広がる青い空に光の花を咲かせる。

 光だけだから音がない。花火というにはなんとも奇妙な光景。だけど、子供たちの心を振るわせるには十分だった。


「わあー♪ ひかりのお花がぱーって咲いた! すっごく綺麗!」

「みどりにきいろ、あかいろもある。ぱっぱっぱって、ひるのおほしさまみたいっ!」

「でも花火って夜に打ち上げるもんだろ? 昼間じゃあんまりよく見えないなあ」

「ライアン、そういうことは言わないの」

「でも音がないとちょっと変な感じ。そうだ。みんなで音を作ろう♪」

「「「「「音を作る!?」」」」」


 常識が凝り固まった大人が声を揃えて驚いた。

 音を作るとはこれいかに。子供たちの様子を見守ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ