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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 17

 ひと段落ついて昼食に戻ろうとすると、珍しくゆきぽんがあたしの前に出てきた。あたしを怖がってなかなか近づいてくれない彼女がどうした風の吹き回しなのか。もしや、もふもふさせてくれるのか?

 と、思ったけどゆきぽんはあたしに背を向けてハティの膝に乗り、前足でぽんぽんとハティの膝を打ち、なにかを訴えるような眼差しで主人を見る。


「ゆきぽんもマジック・コンペティションに参加したい? でもゆきぽんは小さいから危ない」

「きゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅ~~~~ッ!」


 ハティに断られると、ゆきぽんはハティの膝の上でじたばたして抗議した。

 そんなに戦いたいのか。ペーシェもシェリーさんも地団駄を踏みまくる小動物に困惑する。

 珍しくハティも困った。どうするべきか。りんごでは機嫌が直りそうにない。

 とりあえず、マジック・コンペティションに関してシェリーさんに確認しよう。


「マジック・コンペティションって、使い魔も参加可能なんですか?」

「ああ、基本的に使い魔の参加は可能だ。ただし、参加者の一人としてカウントされる。3対3のトーナメント戦なんだが、使い魔もその一人にカウントする」

「なるほど。一応、参加はできるみたいだぞ?」

「きゅきゅ? きゅう~♪」


 キラキラした瞳をハティに向けて太ももに頬ずりして媚びる。媚びたおす。愛嬌を振りまく。戦うためにおねだりする。見た目はラブリーなのに、びっくりするほどかわいくない。

 どんだけ戦いたいんだ……。


「ゆきぽんがそこまで頼むなら仕方ない。でも、戦うことはとっても危ない。覚悟がいる。今度、ゆきぽんの覚悟を確かめる」

「きゅきゅ! きゅう~ッ!」


 やる気満々を意思表示するようにうさうさパンチを披露した。

 なんて素早いラッシュなんだ。そこらへんの獣など一方的にボコボコにできるだろう。


「こんなはずでは……」


 ハティはともかく、ゆきぽんまで巻き込んでしまうとは思わなかった。

 こんなことならあたしが出たい。でも仕事が忙しくて、戦争の準備で手が空かぬ。そっちはハティに任せるとしよう。グレンツェン側の世界の滅亡を阻止してもらおう。

 黝たち、あたしが持ちるう全ての手札を使いたい。今はハティが切れるだけマシと思おうか。


「よーし。現実逃避しよーっと♪」

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