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異世界旅行2-6 木枯らし吹けば、焚火が燃ゆる 8

 わざわざとって付けたような但し書きがなされた。すぐ近くにペーシェを睨むシルヴァの姿がある。ペーシェのタルトタタンが絶品だから、ショコラのショーケースに並べたいって言ってたな。

 そこまで惚れられて、しかしプロにはならないとは。なにかやんごとなき理由でもあるのか。


「どうしてペーシェはそこまでプロになりたくないんだ? ほかにやりたい仕事があるのか?」

「いえ、今のところないですね」

「だったらスイーツ作りを経験してみるのもいいと思うけどな。なにごとも経験だと思うぞ?」

「あたしは悠々自適なのんびりライフを過ごしたいんです。まったりのんびり、ノブリス・オブ・リージュとは正反対の方向へ」

「それは無理があると思うんだが……」


 ワープの魔法が使える人間が、ノブリス・オブ・リージュから逃げるのは至難の業だと思う。それを思えばスイーツ作りくらい、なんてことないと思うけどなあ。

 そもそも異世界間交流に巻き込まれてる時点で、まったりのんびりライフからかけ離れてると思う。当事者なのであんまり深くはつっこまないけど。


 あとはすみれとベレッタ、クラリスの予定。彼女たちはどうするんだろう。異世界旅行は今日でほぼ最後。明日は帰宅の予定だから長居はできない。彼女たちは何を見て、なにを感じたいだろう。

 厨房を見ると料理の準備が整ったらしく、すみれたちが料理をまとめる姿が見えた。

 朝食は何になるだろう。昨日のシチューが復活したらいいなあ。さすがにそれは無理か。

 期待して、滑り込んだ朝食は二つ。野菜と燻製魚がたっぷり詰まったケバブと、チーズとほうれん草のグラタン。あれ、かぼちゃは?

 料理を差し出すすみれがあたしの疑問を晴らすべく、料理の解説をしてくれる。


「朝食はサラダとマサバのケバブと、かぼちゃスープとほうれん草のチーズグラタンです。かぼちゃのスープの上にほうれん草とチーズをふりかけて炙りました。崩しながらかぼちゃのスープをすくって食べてください」

「ほくほくかぼちゃじゃなくて、スープ状にしたかぼちゃをグラタンみたいに食べるのか。ありそうで無かった料理だな。それではさっそく、いただきます」

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