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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 55

以下、主観【レオ・ダンケッテ】

 時は午後3時。

 フェアリーが踊り舞う姿を眺めながら、スイーツと紅茶を楽しむティーパーティーを楽しむ。

 花は咲き乱れ、カラフルな極彩色が癒しをもたらしてくれる。


 がッ!


 どういうわけもなにもないんだけど、クロちゃんとハティちゃんがガチバトルすることになった。

 理由は単純。ハティちゃんに勝ってもらって、クロちゃんがベルンに行ってモラルのないことをしないように完封するためである。

 最初はそこまでしなくても、と思った。

 だけど、暁ちゃんたちがシャングリラに移動したあとにクロちゃんにヒアリングすると、絶望も真っ青になるような非常識にぶち当たる。

 非常識の権化とも言えるクロちゃんの思考パターンは単純にして明解。


 力こそが全て。


 世紀末的発想である。

 物心ついた時から天涯孤独。頼れるものは己のみ。暴力で全てを解決してきた彼女の考えの行きつく先はただひとつ。

 勝者こそが絶対に正しい。

 なんてこった。愛を知らずに育つとこうなっちゃうもんなのか。

 これから俺が彼女に愛を注いだとして、それを認識できるかどうか疑問だ。

 愛ってなんだって絶対に聞いてくる。

 友好的な関係を築くこと?

 お互いを思いやること?

 深淵なテーマである。

 少なくとも、世紀末の反義語であることは間違いなかろう。


 眼前に広がる世紀末を見てみよう。

 ハティちゃんが死ぬほど苦い顔を浮かべて両腕を組む。

 クロちゃんは今にもキレそうな顔で目についたもの全てを破壊しそうな勢い。


「こんなに嫌そうな顔をするハティは初めて見たわー」


 暁ちゃんが罪悪感から逃げるために他人事のような言葉を使う。

 シェリーちゃんも腕を組んで口を真一文字に結んだ。個人的な感情と、騎士団長としての責務で板挟み。

 本当は旦那である俺が受けるべき圧力なのに、本当に申し訳ない。


「なりゆきは聞いたです。それはそうと、ハティさんたちがどんな魔法を使うのか、わくわくで仕方ないです♪」

「アルマもハティさんが本気で魔法を撃つところを見るのは初めてなのでうひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ♪」


 魔法攻撃職のニャニャちゃんとアルマちゃんはテンション上がりっぱなし。

 サンジェルマンさんは彼女たちが戦う姿が見れると聞いて喜び勇んでかけつけた。きっと尻を追って見るに違いない。サンジェルマンさんのことはいつものことなのでいいとしよう。

 いや、嫁の尻を凝視して見られるのはすごく嫌だな。でもやめてと言ってやめる人じゃないので諦めよう。俺はどっちかっていうと胸派だし。

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