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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 47

以下、主観【小鳥遊すみれ】

 料理ができることを幸福に思う。

 誰かのために作って、ありがとうを言ってもらえることほど嬉しいことはない。

 高貴な方に食べていただけるということは、私の料理が高く評価されたということだ。

 それはいい。それはいいんだけど、手抜き料理を王様に出すっていうのはちょっとモヤモヤしちゃう。

 オニオンチキン。玉ねぎの皮を剥いて頭と尻を落とし、ひと口サイズに切り分けたチキンと一緒にオーブンで加熱したら出来上がり。胡椒やスパイスをお好みで。

 超簡単。超手抜き料理。おいしい自信はある。だけど、本当にこれでいいのだろうか。

 本人が手抜き料理を食べてみたいって言うんだからいいんだろうけど、無性にどぎまぎしちゃいます。


 この料理を見て、ローザさんがぽつりと呟く。


「手抜き料理って言って、きちんと食材から作ってるんだからちゃんとしてるよね」

「ほんとそれな」


 ペーシェさんもローザさんの言葉に同意した。

 みんないい人たちばっかりだから否定的な意見はない。これ以上謙虚にしても卑屈と捉えられるかもしれない。

 こうなったら、ガレットを少し工夫するしかないかも。国王様はお肉が大好き。脂身の少ない赤身がお好みらしい。手が込んでるとバレないように、あたかも手抜きしたかのように装わなくては。

 いったいどうすればいいんだ!?


 悩む私のために、暁さんが助言をくれた。


「そんなに考え込まなくていいよ。本当にいつも通りでいいから。無理に手抜きしようとか考えなくていいかな。国王様はみんなと食事するきっかけが欲しいだけなんだ。作ったきっかけがちょっと特殊なんだけど……」

「そ、そうですか? それじゃ、シンプルに玉ねぎとひき肉と、半熟卵のガレットを作りますね」


 レシピを口にすると、アイシャさんが嬉しい提案をしてくれる。


「フレナグランにある食材であればどれでも使って下さって構いません。スモークサーモンも、お肉の漬物も、シーサーペントのお肉も自由に使って下さい。野菜や果物もあります。レーレィさんもベレッタさんも遠慮なく料理してくださいねっ!」


 アイシャさんの語気が強い。きっと異世界の料理人がどんな料理をするのかが気になって仕方ないに違いない。料理人の鑑ですな。

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