表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
884/1086

異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 37

 仲間を倒されて激おこのシーサーペントはなりふり構わずハイドロカノンを放つ。一極集中から横薙ぎの範囲攻撃。小さな水の粒を散弾のように飛ばすハイドロバレット。体を蛇のようにくねらせながらの突進攻撃。

 さすが、海蛇様は技のレパートリーも多くてらっしゃる。

 だけど、歴戦の猛者には当たらない。躱し、切り返し、防御し、時には仲間の後ろに隠れてやり過ごす。

 さて、シェリーちゃんとサンジェルマンさんが大活躍ときたら、次は俺の番って話しでしょ。

 俺にはシェリーちゃんやサンジェルマンさんのような、派手な大技はない。だけど、急所を一点集中で打ちぬく武器と技術がある。シーサーペントが口を開けた瞬間に魔弾を叩きこむ。これでジ・エンド。


 ライブラから魔銃を取り出し両手に握り、タイミングを見計らって引き金を引く。

 本来なら雷系の魔弾を使いたいところ。しかし、対雷系水魔法(ハイドロ系)を使うところをみると、もしかすると対雷対策があるかもしれない。

 ここは素直に膂力重視。土系魔法の貫通弾でシンプルにいこう。

 四属性の魔弾が放てるリボルバーを土属性に変更。引き金を引くことで貫通力のある魔弾を発射。

 ――――――するはずなのに、どういうわけか引き金を引いても弾が出ない。

 それどころか、魔力を装填した瞬間にリボルバーがぽろりと抜け落ちた。


 ――――――――――――え?


 昨日整備した時は壊れてなかった。

 メンテナンスも抜群。絶好調といった様子。

 なのに、どうして、こんな壊れ方をするんだ?

 経年劣化じゃない。人力で無理やりへし折ったような跡がある。

 そういえば……メンテナンスし終わったあとにクロちゃんが、『それ見せろ』って言って彼女に渡したんだった。

 ま、まさか…………。


「ねぇ、クロちゃん。昨日、俺の魔銃を渡した時になんかした?」


 言うと、彼女はシーサーペントのハイドロカノンを大剣で真っ二つに割って答える。


「構造を見た」

「どうやって?」

「真ん中の筒を外した」

「あ……そうですか…………」


 やっぱりか。

 俺の、俺が長年愛用してきたリボルバーが壊された。

 悲しいとか、怒りとか、そういう感情はない。彼女がどういう人間かを知ってたはずなのに、警戒することなく渡してしまった過去の俺に注意してやりたい。ただそれだけを考える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ