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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 36

 残りの二体はこれを見て怯むどころか臨戦態勢。大地に着地したシェリーちゃんめがけてシーサーペントが純水大砲(ハイドロカノン)をぶっぱなす。

 我らが騎士団長は盾を構え、巨大モンスターから放たれる特大のハイドロカノンを受け止めた。

 熟達した宮廷魔導士レベルのハイドロカノンを二つ同時に防ぐ。さすが護国の騎士。ベルンの守護神。防御だけなら世界一。


「あの(アマ)。マジで防御だけは強えな。俺も盾の魔剣を作る」


 ――――クロちゃんの向上心が高いところは素晴らしいことだと思います。

 さすがにシェリーちゃんレベルの防御力は手に入れられないだろうけど。

 それはともなく、今回の討伐は魔剣の性能テスト。怒りに任せて暴力を振るったシェリーちゃんが一頭倒してしまった。残り二頭。せめて一頭はサンジェルマンさんに戦ってほしい。

 心配するも杞憂に終わる。彼はハイドロカノンを受けるシェリーちゃんの後ろに隠れ、攻撃がやむのを待つ。

 洪水のようなハイドロカノンが落ち着くと、すかさず飛び出して大地を踏みしめ、大上段の構えからウェポンスキルを放った。


飛刃(スラッシュ)ッ!」


 放った瞬間、刃の軌跡が形を持ってシーサーペントの巨体を真っ二つにする。

 スラッシュ。剣技系初歩の初級ウェポンスキル。振り下ろした剣の軌跡が魔法でもって形を成し、近・中距離の敵に向かって飛んでいく攻撃技。

 ハイラックス国際友軍の戦士やベルン騎士団員レベルなら、5から10メートルまで斬撃を飛ばせる。サンジェルマンさんは20メートルの飛距離を誇る。

 だがどうだろう。魔剣と呼ばれる神代の武器は術者の魔力を込めることで魔法抵抗力を極限まで減らし、それどころか魔法の威力を、魔力の共鳴現象を利用して増幅するという。

 もう一度確認しよう。通常、スラッシュの魔法は描いた弧のサイズのまま飛翔する。だけど、今見たのは斬撃の軌跡が扇状に拡大して飛んだ。飛距離はゆうに50メートルを超える。いくらサンジェルマンさんでも、50メートル以上の巨体を前にして一刀両断というわけにはいかない。本人もそう思っていた顔をしてる。放った本人が一番驚いた。


「おぉ……これは凄い…………」


 真っ二つになったシーサーペントを見て、虎丞も驚く。


「なんだ今の。本当にスラッシュか? いくら魔剣っつっても、こんな威力のスラッシュは見たことないんだが…………」


 冒険者も驚愕の現実だったらしい。

 ひと呼吸置いて気を取り直そう。なぜなら敵はもう一匹いるからだ。

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