異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 26
はわわ~~~~っ!
か~わ~い~い~っ!
彼女の笑顔には、真心には無条件で癒される。
それでは、とバーニアは意気込んで漆黒のピアノの上に舞い戻り、トランペットを取り出してお辞儀をした。息を整え、ピアノの伴奏と共に楽器を構えて楽しい時間を作り出す。
パー、パー、パラパッパッパッパパパパラッパー♪
バーニアらしい軽快なリズムが響く。次第次第にテンションが上がり、ペースが伸びていく。演奏するのが楽しくて、みんなと一緒にいられる時間が嬉しくて、トランペットを演奏するバーニアは宙で体をくねらせながら踊り、演奏を続ける。
ひとつの音も外すことなく、思いのままに楽しんで、くるくる回って喜びを表現した。
演奏が終わると拍手喝采がわき起こる。
私とローザさん、レベッカちゃん、ラララさん、疲労困憊のニャニャ先輩の5人。だけど、会場いっぱいの拍手に包まれて、幸せいっぱいな気持ちに溢れてみんなに笑顔の花が咲いた。
「バーニアもネイサン女医もすごいですっ! とっても楽しそうに演奏して、私たちまで楽しい気持ちになりました!」
私がバーニアを抱き寄せて頬ずりすると、彼女も嬉しそうに微笑む。
「みんなに楽しい気持ちになってもらえてよかった! バーニアもすっごく楽しかったよ! よし、今日はまだ時間があるし、もう何曲か演奏しよう!」
「うん! 私も一緒に踊るね!」
踊りどころか、アウトドアとは無縁の人生を送ってきた私が、地団駄ステップとはいえ踊りを踊る日が来るだなんて想像だにしてなかった。
でも、楽しそうに演奏しながら踊り狂うバーニアを見ていたら、なんだか私も体を動かしたくなってきちゃった。
軽快で明るいトランペットの音色と、跳ねるように飛び回るピアノのリズムに合わせて踊る。
たんたんたたたん。たんたたたん♪
ぱんぱんぱぱぱん。ぱんぱぱぱん♪
リズムに合わせて手を叩く。
音色を集めて腰を振る。
あぁ、こんな時間がずっと続けばいいのにな♪




