異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 23
「ちょっ!? なにやってんですかッ!?」
「血を抜いてるんですけど?」
「なんで血を抜いてるんですかッ!?」
「欲しいから」
「欲しいからッ!?」
血が欲しいから許可無く血を抜くって頭おかしいでしょ!
目が、目が血走って虚ろになってるんですけど!
怖いッ!
この人、超怖いッ!
おびえるも、無理に針を抜くと余計な傷が増える。
ここは彼女が満足するまで待つしかないのか?
しかし、ニャニャ先輩の様子を見る限り、限界まで血を抜かないと満足しない可能性がある。
どうすればいい?
きっと彼女を説得しようとしても無駄だ。誰かにヘルプを出すしかない。
誰にヘルプを出すのが正しいのか。ここにはラララさんもネイサン女医もいない。ローザさんとニャニャ先輩だけ。ニャニャ先輩は血を入れたばかりで意識が薄い。日向ぼっこしてる時は特にぼーっとして動かない。
ここはローザさんしかいないっ!
「ローザさん、これどうすればいいですか!?」
陳腐な言葉しかでなかった。だってこんな吸血看護師に対する言葉の引き出しなんてあるわけない。
彼女は冷静に現状を見定めてスライムに手をかざした。
400ミリリットルを吸いだしたところで採血行動を停止させる。
「ブラード、新品のラブラードを出して」
「はい」
「それじゃ、もう一本いっとこうか」
そう言って、ローザさんは自分の腕にスライムの針を刺して献血を始めた。
私は驚いて、ブラードさんはわくわくする。ローザさんは真剣な表情をして流れ出る血を見つめた。




