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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 14

 ニャニャの驚く顔を見たアルマは、『それはそれ、これはこれ』という笑みを見せる。


「えぇと……とんでもなく強力な複合魔法だったです。あれを再現できれば、たいていの魔獣を討伐できると思うです。祈ちゃんには防がれたですが……」


 よく考えたら、あれだけの熱量と威力を持ったドラゴンブレスを受けて、負傷したとはいえ反撃に転じることができる祈ちゃんとは一体?

 疑問に思うも、彼女については触れないほうがいいだろう。彼女を傷つけたニャニャが聞けることではない。

 言葉を濁して、アルマはキラキラしたまなざしを向けてきた。


「よし、スケールを小さくして再現しましょう」

「「再現!?」」


 ニャニャとベレッタさんの言葉が重なった。

 アルマは相変わらずの調子で答える。


「大丈夫ですよ。小さいのを作ればいいんですから。ひとまず、ファイヤーブレスに突風(ガスト)の魔法を組み合わせてミニドラゴンブレスを作りましょう。いずれは本物のドラゴンブレスにっ!」

「う、うん…………やってみるです」


 ドラゴンブレスを放った感覚を忘れないうちに習得するのは望ましいことである。全く同じ魔法とはいかないまでも、類似する魔法で再現性を確保することは非常に有意義なこと。

 しかし、今このテンションでできるかと言われれば厳しいものがある。

 でも、再現性を担保して己の魔法のバリエーションを増やしたいというのもまた事実。攻撃魔法職のニャニャにとって、それは当然の感情。

 理性と倫理の板挟みの結果、超小規模のなんちゃってドラゴンブレスを作る。


 アルマからすればおもちゃか、児戯に等しい魔法を放った。

 再現性という意味ではこれで十分。しかし、アルマが天を指さして魔法の行使を指示したところからして、思いっきり魔法ぶっぱさせるつもりだったみたい。

 無理だって…………。


「と、とりあえず、感覚はつかめたです。ありがとうです」

「そんなちっちゃいドラゴンブレスで魔獣が倒せると思ってるんですか!?」

「いや、今はそういう気分じゃないです……」

「そんなちっちゃいドラゴンブレスで魔獣が倒せると思ってるんですかっ!?」

「……………………」

「そんなちっちゃいドラゴンブレスで魔獣が倒せると思ってるんですかッ!?」

「……………………にゃあ」


 しょうがない。もう少し大きなドラゴンブレスを放って手仕舞いにしよう。無理やりにでも。


「うぃっにゃあっ! はぁ……さすがに魔力を使いすぎたです。ニャニャもそろそろ休むです。リリィのところに行って、異世界の医療技術を見学するですー♪」

「あ、ちょ、ニャニャさーん!」


 そうだ、かわいいかわいいリリィのところへ行こう。

 彼女のところへ行って癒されよう。ティーパーティーにはフェアリーと一緒にスイーツを食べるのだっ!

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