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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 12

 スーパーセルを拳にまとわせて相手にぶつける破格の威力の魔法。これにはニャニャも興味があるので、アルマ側に並んで彼女たちに協調しよう。


「ペーシェ、今の魔法はなんだったです? 教えて欲しいです! ドラゴンブレスをも巻き取って己の支配下に置いたです」

「「「「「ドラゴンブレスを巻き取って支配下に置くッ!?」」」」」


 これには全員からつっこみが入る。他人の魔法を自分の魔法に変換したうえ、自分の魔法と合成して新しい魔法を生成する。とんでもない現実を見てしまった。現代までに存在する全ての魔法に対する重大な挑戦とすら言える。

 それを知るペーシェは、『これ以上質問されるの、超めんどくせー』という顔を見せた。


「ノブレス・オブ・リージュは理解してますが、あたしは優雅で怠惰なのんびりライフを過ごしたいので、この話しはここまでで。あたしの気が、世界が消滅するレベルでなにかの気の迷いでもあった時にはお話しします」

「では、アルマが世界を消滅させる前に話してください」

「アルマ…………」


 分別のある暁さんは、話しを聞くことを遠慮しようとする派。

 魔法大好きっ子のアルマはイケイケゴーゴー。ペーシェの心情など知ったことない派。

 他の大人たちも分別がある派。というわけで、太郎さんの無言の安全宣言を受けて解散となった。

 しかし、暁さんは暁さんで仕事が増える。


「ペーシェ、話したくないことがあるのは理解してる。しかし、ギルドマスターとして詳細を知っておかなくてはならない。申し訳ないが、あとでもう少し詳しく話しを聞いてもいいか?」

「それは、ええ、まぁ、仕方ないですよね。かしこまりました」

「その時はぜひともアルマもお供いたします」

「アルマ、お前が魔法大好きで探求心が強いことは理解してる。だが、今回のことはペーシェが自発的に話すまで待て。いいな」

「…………………………」


 無言のアルマに暁さんが両の手を彼女の肩に置く。置くというよりはかなり強めに叩いたと表現したほうがいいかもしれない。

 同時に、満面の怖い微笑みをアルマに向けた。


「いいな?」

「…………………………はい」


 圧がすげえ。

 踵を返して、ペーシェとベレッタさん、ニャニャに向き直って怖くない笑顔を向ける。


「原因はどうあれ、事態を収めてくれてありがとう。礼を言うよ」


 ペーシェは照れ、ベレッタさんは何もしてないと遠慮した。

 ニャニャは硬直して暁さんから視線を逸らす。見えなかったとはいえ、ドラゴンブレスを祈にぶち当てたのは自分だ。感謝されると罪悪感で死んでしまいそうになる。近いうちにきちんとお詫びをしなくては……。

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