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異世界旅行2-5 旬には少し早すぎて、だから今から待ち遠しくて 3

 貝が焼けるまで時間がある。それまでだし汁と米料理を楽しもう。

 だし汁は甲殻類特有の旨味と濃厚な味噌の味わい。それと旬の野菜から出た甘味が溶け合ってほっこりうまうま。冷たい海風を受けて食べる料理としては最高のごちそう。

 脂の乗ったマイワシを甘露煮にした丼も絶品。甘辛い味付けとお米の相性は抜群のひと言。

 半分ずつ食べ終わったところで、ちょっとひと息。


「はふーっ。寒い朝にあったかいご飯は五臓六腑に沁みわたるです」


 ニャニャの幸せな溜息にリリィが続く。


「ですねー。あったかくておいしくって幸せですねー。朝日も綺麗で海も綺麗で、心が洗われるようですー」


 ほっこりぽかぽかな気持ちになったリリィの肩がニャニャの肩に触れる。リリィは子猫のようにかわいく人懐っこい。歳がひとつ違ってかわいい妹のよう。

 肩を寄り添っていると、網の上のアサリがぱちんと弾ける音がした。

 一瞬寝落ちしそうになったところに破裂音が響く。はっと目を覚ますと、ニャニャたちを微笑ましく見る仲間たちの姿があった。なんだか無性に恥ずかしくなって、気を紛らわそうとエレニツィカさんに話しを振る。


「今焼いてるアサリとツブ貝はどのくらいで食べられるです?」

「もうそろそろだよ。アサリはしっかり貝が開いて沸騰したら食べごろ。ツブ貝はもうちょっとかな。唾液腺を取り除いてるから安心してね。どっちも旬の食材だからおいしいよ。秋はおいしいがいっぱいだよね~♪」

「ですです! メリアローザのご飯は本当においしいです。スイーツはもっとおいしいです!」

「だよね~! 油断すると太っちゃうかも」

「にゃッ!?」


 それは聞きたくないッ!

 ので、にゃんこの話しを切り出そう。


「ここのにゃんこたちはみんな仲良しみたいです。それに野良とは思えないほどの毛艶です。縄張り争いとかしないですか?」

「あぁそれはね、メリアローザの野良猫たちはみんな猫のギルマスのミーケさんの使い魔なんだよ」

「野良猫全員使い魔ですッ!? うっ、羨ましいッ!」

「羨ましいの?」


 驚かれたことに驚いて前のめりに声を張り上げる。


「もちろんです! にゃんこを使い魔に、それもこんなにたくさんだなんて羨ましいですッ!」

「そう? まぁミーケさんは猫の獣人だから、元々猫たちと仲良しってのもあるし、猫贔屓ってところがあるからね。おかげで害獣退治やらなんやらと助かってるけど」

「にゃんこもふもふ! こんなにたくさんのにゃんこをもふもふできるなんて羨ましい!」

「羨ましいところ、そこなの?」

「ぐぬぅっ! ニャニャも早くにゃんこを使い魔にしたいですっ!」

「使い魔って信頼関係が大事なんだよね。いい子に出会えるといいね」

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